2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21J10604
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片桐 健登 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | ダイヤモンド / 超高圧 / 衝撃圧縮 / X線自由電子レーザー / 相転移 / 炭素 / 金属化 / 超高速変形 |
Outline of Annual Research Achievements |
高強度レーザー誘起の衝撃圧縮法を用いて金属化ダイヤモンドの生成を行った。ダイヤモンド試料に1,000 GPa(万気圧)を超える高圧力を印加することで金属化させ、光学特性の衝撃圧力依存性を可視光プローブレーザーを用いて計測した。また、ナノメートルサイズの極めて小さな結晶子により構成されるナノ多結晶ダイヤモンドを試料に用いて、衝撃圧縮特性計測を行った。その結果、固体として振る舞う衝撃圧力域においてナノ多結晶ダイヤモンドは単結晶ダイヤモンドよりも高い強度と非圧縮性を示すことを明らかにした。これはナノメートルサイズの粒界において欠陥の伝搬が阻害されることで強度を保つ粒界強化が、衝撃圧縮による高歪み速度変形下において発現することを示している。一方でダイヤモンドが金属的に振る舞う超高圧力域においては、単結晶ダイヤモンドとナノ多結晶ダイヤモンドの衝撃圧縮特性に顕著な差は確認されなかった。これはダイヤモンドは金属的に振る舞う領域においては融解するため、固体領域で見られた結晶粒界の強度増幅効果が発生しないためだと考察される。さらにフェムト秒パルスの高輝度X線源であるX線自由電子レーザーSACLAを用いたX線回折計測法により、衝撃圧縮下のナノ多結晶ダイヤモンドの構造をその場観察した。その結果、0から700 GPaの広い衝撃圧力域においてダイヤモンドは構造相転移を示さないことを明らかにした。この結果は第一原理計算による予測と一致しており、また可視光プローブレーザーによる計測が示した800 GPa以下の圧力域でダイヤモンドは反射率を示さないという結果とも整合する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
高強度レーザーによる衝撃圧縮法を用いた金属化ダイヤモンドのナノ秒生成に成功している。可視光プローブレーザーを用いた計測により衝撃圧縮下のナノ多結晶ダイヤモンドの反射率を評価したほか、自発光強度計測法を用いた融解温度と融解圧力のデータを決定し、単結晶ダイヤモンドの計測結果と比較した。また、X線自由電子レーザーSACLAを用いたX線回折計測法により、最大700 GPaまでの衝撃圧力下におけるナノ多結晶ダイヤモンドの構造計測を行った。さらにSACLAに常設されている<30 Jクラスのレーザーを用いて、ダイヤモンドの金属化に必要な1,000 GPa超の高圧力を負荷するため、低密度RFフォームによる圧力増幅の試験を行なった。RFフォームを衝撃圧縮実験のアブレーターとして用いることで、従来のプラスティックアブレーターに比べて76%の圧力増幅効果が得られることを明らかにした。以上の計測が実現できたことにより、当初の計画以上の進展が得られていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでのダイヤモンドのその場X線回折計測実験における最大衝撃圧力である700 GPaを超えるような超高圧力におけるナノ多結晶ダイヤモンドの構造変化を、SACLAのX線自由電子レーザーを用いたその場X線回折計測法により明らかにする研究に取り組む。上述のRFフォームをアブレーターに用いることで76%の圧力増幅を達成すれば、SACLAの<30 Jクラスのレーザーにより最大1,200 GPaの超高圧力をダイヤモンド試料に印加できると予測される。これまでの可視光プローブレーザーを用いた計測結果から、ナノ多結晶ダイヤモンドは1,000 GPaを超える圧力域において構造変化を示す可能性が示唆されるため、このような超高圧力下におけるナノ多結晶ダイヤモンドの構造をその場X線回折計測により明らかにする。
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Remarks |
アウトリーチ活動の一環として個人的に設立した研究者webページです。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Micron-scale phenomena observed in a turbulent laser-produced plasma2021
Author(s)
Rigon G.、Albertazzi B.、Pikuz T.、Mabey P.、Bouffetier V.、Ozaki N.、Vinci T.、Barbato F.、Falize E.、Inubushi Y.、Kamimura N.、Katagiri K.、Makarov S.、Manuel M. J.-E.、Miyanishi K.、Pikuz S.、Poujade O.、Sueda K.、Togashi T.、Umeda Y.、Yabashi M.、Yabuuchi T.、Gregori G.、Kodama R.、Casner A.、Koenig M.
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 12
Pages: 1~9
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] X-ray radiography based on the phase-contrast imaging with using LiF detector2021
Author(s)
Makarov S S、Pikuz T A、Buzmakov A V、Chernyaev A P、Mabey P、Vinci T、Rigon G、Albertazzi B、Casner A、Bouffetier V、Kodama R、Katagiri K、Kamimura N、Umeda Y、Ozaki N、Falize E、Poujade O、Togashi T、Yabashi M、Yabuuchi T、Inubushi Y、Miyanishi K、Sueda K、Manuel M、Gregori G、Koenig M、Pikuz S A
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Journal Title
Journal of Physics: Conference Series
Volume: 1787
Pages: 012027~012027
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Liquid Structure of Tantalum under Internal Negative Pressure2021
Author(s)
Katagiri K.、Ozaki N.、Ohmura S.、Albertazzi B.、Hironaka Y.、Inubushi Y.、Ishida K.、Koenig M.、Miyanishi K.、Nakamura H.、Nishikino M.、Okuchi T.、Sato T.、Seto Y.、Shigemori K.、Sueda K.、Tange Y.、Togashi T.、Umeda Y.、Yabashi M.、Yabuuchi T.、Kodama R.
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Journal Title
Physical Review Letters
Volume: 126
Pages: 1~6
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] In situ X-ray Diffraction of Shock-Compressed Nanopolycrystalline Diamond2022
Author(s)
K. Katagiri, N. Ozaki, L. Dresselhaus-Marais, J. Eggert, Y. Inubushi, T. Irifune, M. Koenig, T. Matsuoka, K. Miyanishi, H. Nakamura, N. Nishiyama, T. Sekine, Y. Seto, K. Sueda, Y. Tange, T. Togashi, Y. Umeda, M. Yabashi, T. Yabuuchi, and R. Kodama
Organizer
APS March Meeting
Int'l Joint Research / Invited
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