2021 Fiscal Year Annual Research Report
in vivoヒトiPS細胞由来移植心筋における代謝的プロファイル解析とその応用
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21J10680
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
相馬 雄輔 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 心臓再生医療 / 多能性幹細胞 / 成熟 / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトiPS細胞を用いた心臓再生医療は、難治性重症心不全に対する心臓移植に代わる治療法として期待されている。これまで、当研究室ではヒトiPS細胞から効率的に心筋細胞を分化誘導する方法や、そこから未分化細胞などを効果的に除去する方法を確立してきた。しかしながら、ヒトiPS細胞から分化誘導して作製した心筋細胞は、胎児の段階の心筋細胞と同等の未熟な細胞であり、これが心臓再生医療の実現に向けた課題の一つとなっている。本研究は、ヒトiPS細胞から作製した心筋細胞を動物の心臓に移植し、移植後の心筋細胞の成熟度を様々な点から評価することで、心臓再生医療の実現に貢献することを目的とした。まず、ヒトiPS細胞由来心筋細胞を免疫不全マウスの心臓に移植し、経時的に解剖して、移植心筋組織の組織学的な評価を行った。その結果、移植後のヒトiPS細胞由来心筋細胞は、adultの心筋細胞ほどには達しないものの、細胞が増大し、サルコメアの構造が発達してくることが明らかとなった。また、ホスト由来の微小血管が移植心筋組織内に豊富に入りこむことが明らかとなり、これも生着に寄与していると考えられた。続いて、移植心筋組織のRNA-シークエンスを行って遺伝子発現を評価した。その結果、成熟に伴って発現が上昇すると考えられるサルコメアやイオンチャネルに関わる遺伝子の発現が上昇してくることが分かった。また、代謝においても、移植後ヒトiPS細胞由来心筋細胞が部分的に成熟してくることを示唆する所見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まずヒトiPS細胞由来心筋細胞を免疫不全マウスの心臓に移植し、組織学的な評価を行った。その結果、移植後のヒトiPS細胞由来心筋細胞が形態的に成熟することが明らかになった。続いて、移植後ヒトiPS細胞由来心筋組織のRNA-シークエンスを行い、遺伝子発現の経時的な変化を評価した。その結果、成熟に伴って発現が上昇すると考えられているサルコメアやイオンチャネルなどの遺伝子発現が経時的に上昇しており、遺伝子発現の点からも、形態的・機能的に成熟することが明らかになった。さらに、代謝的にも、移植後ヒトiPS細胞由来心筋組織が部分的に成熟する所見が得られた。上記の結果が得られ、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究から、移植後ヒトiPS細胞由来心筋細胞がin vivo環境において形態的・機能的・代謝的に成熟してくることが明らかとなった。そこで、今後は、in vivo環境において何がヒトiPS細胞由来心筋細胞の成熟化を促進しているかを探索していく予定である。
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Research Products
(2 results)