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2021 Fiscal Year Annual Research Report

High-resolution study of Carnian Pluvial Episode to elucidate the relationship between igneous activity, climate change, and biological evolution

Research Project

Project/Area Number 21J10870
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

張 天逸  早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2021-04-28 – 2023-03-31
Keywordsカーニアン
Outline of Annual Research Achievements

2億3前万年前の後期三畳紀カーニアン期において,陸上では脊椎動物の大量絶滅に伴う恐竜の分布域の拡大と多様化,海洋では石灰質ナノ化石の汎世界的な産出に代表される生態系の大転換(カーニアン多雨事象)が生じた.カーニアン多雨事象は,本研究では,愛知県犬山地域に露出する美濃帯層状チャートについて地球化学的手法を用いることによりカーニアン期多雨事象における全球規模での古環境変動をとらえることを目的とした.2021年度はドローンによる空撮と地表踏査を組み合わせた地質調査を行った.層状チャートの単層を側方に追跡して地層中随所に発達する小断層を認定することにより,カーニアン階の地層の単層スケールでの連続的な岩相層序を構築した.層状チャートの挟みの泥岩は陸源物質を濃集しているため,陸域古環境の解読に適したサンプルである.そのため,本研究ではカーニアン階を通して連続的に層状チャートの挟みの泥岩試料の採取を行った.なるべくチャート部の混入がない試料を選別し,蛍光X線分析装置(XRF)により主要10元素(SiO2, TiO2, Al2O3, Fe2O3, MnO, MgO, CaO, Na2O, K2O, P2O5)の定量分析を行った.また,誘導結合プラズマ質量分析法を用いた水銀濃度の定量分析とX線回折法(XRD)による構成鉱物の確認を行った.上記分析によって得られた多次元の元素組成,鉱物組成データについて,組成データ解析・多変量統計解析を行い,探索的にデータ構造の調査を行った.その結果,サンプル間の主要元素のばらつきは主に粘土鉱物,マンガン,リン酸カルシウムの3成分によりコントロールされていることが判明し,陸源物質の相対的な量を示唆する潜在変数が抽出できることが示唆された.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では,愛知県犬山地域に露出する美濃帯層状チャートについて地球化学的手法を用いることによりカーニアン期多雨事象における全球規模での古環境変動をとらえることを目的としている.2021年度はドローンによる空撮と地表踏査を組み合わせることによりカーニアン階の地層の単層スケールでの連続的な岩相層序を構築した.また,ICP-MSを用いた水銀濃度の定量分析を行った.新型コロナウイルス感染症にともなう出張の自粛により野外調査の日程を計画より短縮して行ったため,今後,追加の野外調査を行う必要がある.2年目に実施する予定であった,多次元の元素組成データを用いた多変量解析を今までの研究において既に得られているデータセットを用いて予察的に行った.その結果,サンプル間の主要元素のばらつきは主に粘土鉱物,マンガン,リン酸カルシウムの3成分によりコントロールされていること,陸源物質の相対的な量を示唆する潜在変数が抽出できることが判明した.よって,計画はおおむね順調に進展していると言える.

Strategy for Future Research Activity

本年度の研究で得られた結果を基に,今後の現地調査での追加試料の化学分析結果をデータセットに追加して解析することで,カーニアン期多雨事象における陸域環境変動と海洋環境,炭素循環の関係を明らかにすることができると考えられるため,野外調査,分析,データ解析を引き続き行う予定である.

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Published: 2023-12-25  

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