2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21J10888
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤本 香菜 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 母由来マイクロキメリズム / 母児間免疫 / シングルセルRNA-seq / 自己免疫疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
有胎盤哺乳類では、妊娠中に母親から胎児へと細胞が移入し、それら母由来細胞は出生後も微量(10万から1000万分の1の頻度)ながら子の全身に残り続ける。これまで、母由来細胞は母児間の免疫寛容や子の自己免疫疾患の発症・悪化、損傷組織の修復といった多様な現象への関与が示唆されてきた。しかし、なぜ多様な現象で母由来細胞の関与が示唆されるのかはわかっていない。 申請者は、一つの可能性として、胎児期に移入してくる母由来細胞の細胞数・細胞種・体内分布などの個体間の差が、多様な現象につながると考えた。その状況証拠として、炎症性疾患において高頻度の母由来細胞(健常時の10から100倍程)が観察されていること、そして、現象によって免疫担当細胞や幹細胞といった多様な細胞種の母由来細胞が観察されていることが挙げられる。しかし、胎児に移入する母由来細胞集団の全貌(細胞数・細胞種・体内分布)を明らかにした研究はない。 本研究ではマウスを用い胎仔に移入する母由来細胞集団の全貌を細胞数・細胞種・体内分布の観点から明らかにし、個体間差の有無から母由来細胞が多様な現象へ結びつく可能性の検証を試みた。 これまで、マウス胎仔全身から母由来細胞を単離する実験系を立ち上げることに成功した。さらにこの手法を用いて母由来細胞の数に個体間差がある可能性を明らかにし、学術論文として発表した(Fujimoto et al., PLoS One, 2021)。また、細胞種の観点から母由来細胞の細胞種に個体間差があるかを明らかにするために、マウス胎仔から母由来細胞のみを単離し、single cell RNA-seqを用い1細胞ごとの遺伝子発現パターンから細胞種の推定を行った。こちらも学術論文を投稿済である。母由来細胞の体内分布の解明については、母由来細胞を特定するための標識が十分なシグナル強度で得られないという技術限界から断念した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(3 results)