2022 Fiscal Year Annual Research Report
Measurement of the mass of the top quark using J/psi meson in top quark pair production events with the ATLAS detector
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21J10909
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
麻田 晴香 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | トップクォーク / LHC-ATLAS実験 / 電弱真空の安定性 / ミュー粒子検出器 / トリガー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本測定に係る系統誤差のうち検出器応答由来の系統誤差の見積もりと、前年度に指摘した信号事象モデリング由来の系統誤差評価における課題に取り組んだ。 本測定では、終状態に存在する3個のレプトンの不変質量分布の形がトップクォーク質量と相関を持つことを利用する。この時、ジェットについては、トップ事象の選別にジェットの本数を使うのみなので、従来の測定で支配的だったジェット再構成由来の系統誤差は抑制される。結果として、ジェット再構成由来の系統誤差は200 MeV以下と期待通り抑制できていることを示した。 また、信号事象モデリング由来の系統誤差の評価については、測定に最も影響する終状態放射モデリング由来の系統誤差の再評価を行った。終状態放射モデリング由来の系統誤差は強い相互作用のモデリングを変化させたサンプルを使用して見積もる。しかし、この変化はボトムクォーク破砕化モデリングには反映されないため、モデリングの変化に重複が起こり、過大評価が生じていた。そこで、ボトムクォーク破砕化モデリングが相対的に変化しないよう調整したサンプルを使用し誤差を評価することで過大評価を抑えた。その結果、この調整をしない時と比較して、終状態放射モデリング由来の系統誤差の評価値を数百MeV削減することに成功した。 以上より、構築した手法をLHC第二運転期間中にATLAS実験が取得した全データを使用することにより、本測定は従来の測定とは異なる系統誤差要因を持つトップクォーク質量測定を実現できることを明らかにした。この成果は、日本物理学会2023年春季大会にて報告した。 加えて、前年度に引き続きLHC-ATLAS実験の現場であるジュネーヴのCERNに滞在し、ミュー粒子トリガーの安定した運転に貢献した。これは、今後ATLAS実験が取得するデータを加えることで更なる測定精度の向上が見込まれる本測定の将来の発展に役立つ。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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