2022 Fiscal Year Annual Research Report
中高齢者における実践的な心疾患予防策の構築:座位行動削減の有効性の検証
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21J10952
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森 翔也 筑波大学, 人間総合科学学術院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 座位行動 / 心臓圧受容器反射 |
Outline of Annual Research Achievements |
心疾患が急増する本邦において、実践的な予防介入策を確立することは喫緊の課題である。日常生活中のリスク因子として、「座位行動」が関係することが近年示されているが、座位行動を削減する介入をした際、心臓生理指標がどのように変化するかは不明である。過去の観察研究で長時間の座位行動は心臓圧受容器反射感受性の低下と関連することを発見したため、本研究は心疾患リスクの高い中高齢者を対象に、座位行動削減介入が心臓圧受容器反射感受性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。 2022年度は、前年度に実施した座位行動削減の介入研究データ解析、国際学術雑誌への論文投稿、これまでの研究成果を総括した博士論文執筆を行った。介入研究は中高齢者を対象に8週間実施し、1週間に1度、日常生活中の歩数と中高強度身体活動時間をフィードバックするとともに、教育支援により行動変容を促した。その結果、介入群の座位時間は約30/日程度減少したことから、介入により座位時間の削減に成功した。しかし、主要評価項目の心臓圧受容器反射感受性は、8週間の介入では有意な改善効果は確認されなかった。次に、介入期間中の座位時間の変化の個人差に注目して分析した結果、介入期間中に座位時間が増加した人は、心臓圧受容器反射感受性が低下することが確認された。したがって、日常生活中の座位時間が増加すると心臓迷走神経を介した動脈圧受容器反射の機能が低下することが示唆された。以上の結果を踏まえ、今後さらに長期間の介入研究を実施する必要があるとともに、日常生活中の座位時間の増加を抑制することが、中高齢者における心臓圧受容器反射感受性の低下を防ぐうえで重要であることが示された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Sedentary behavior is associated with reduced cardiovagal baroreflex sensitivity in normal healthy adults.2022
Author(s)
Shoya Mori, Keisei Kosaki, Masahiro Matsui, Kanako Takahashi, Masaki Yoshioka, Takashi Tarumi, Jun Sugawara, Ai Shibata, Makoto Kuro-o, Chie Saito, Kunihiro Yamagata, Koichiro Oka, Seiji Maeda.
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Journal Title
Hypertension Research
Volume: 45(7)
Pages: 1193-1202
DOI
Peer Reviewed