2021 Fiscal Year Annual Research Report
パーシャルシーディングとプログラム冷却のコンビナトリアル手法による結晶品質最適化
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21J10991
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
海野 城衣 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 晶析 / 粒径分布 / 冷却 / 種晶添加 / 最適化 / シミュレーション / インライン測定 / 確率論的核化 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者がこれまでに晶析速度論モデルを取得したL-アルギニン水溶液系とアセトアミノフェンエタノール溶液系を実験の対象物質とし、硫酸カリウム水溶液ベースの物質系を晶析速度論モデルが既知の仮想の対象物質とした。 まず、アセトアミノフェンエタノール溶液系の晶析速度論モデルを用いて最適なプログラム冷却の冷却方式を探索したところ、過冷却で未析出の溶液に種晶を添加することが最適であることが示唆された。そのため、この冷却方式とパーシャルシーディングのコンビナトリアル最適化を計算と実験の両手法から検討した。結果として、計算では粒径分布を最良にするような最適な操作条件の組み合わせが存在したが、実験では計算値からのズレやランダム誤差が大きく、その存在を確認できなかった。この原因として、第一に、これまでの研究で取得した速度論モデルにおいて考慮していない、結晶の破砕や凝集といった現象が発生していることが考えられる。第二に、新たに結晶核が発生する核化現象が確率論的挙動を示すことが考えられる。 第一の要因に関して、破砕や凝集がパーシャルシーディングに影響を与える可能性を仮想系の計算によって検証した。結果として、破砕や凝集はパーシャルシーディングの最適な操作条件に影響を与えるだけでなく、最適化の可否にすら影響を与えることが示唆された。 第二の要因に関して、確率論的核化がパーシャルシーディングに与える影響について仮想系の計算によって検証した。結果として、うまく制御されたパーシャルシーディングでは確率論的核化の影響は小さくなることが示唆されたが、ラボスケールでは確率論的核化の影響が無視できないことが示唆された。そのため、本手法の実験的検証のためには、スケールアップした実験系でコンビナトリアル最適化を行う必要があることが示唆された。 また、粒径分布の測定・予測・制御に関して得られた知見を学位論文及び著書として発表した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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