2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21J11008
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小池 康太 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
|
Keywords | ラマン散乱顕微鏡 / 誘導ラマン散乱 / チャープ / パルスレーザ / 非線形光学 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、2 psレーザーシステムを用いた強度変調型SRS顕微鏡の光学系の構築および性能の評価・最適化を行った。2 psを14 psまで伸長するために必要な分散を計算した。透過型回折格子とレトロリフレクターを用いたチャーパー光学系を、強度変調型SRS顕微鏡に組み込んだ。オートコリレータを用いて14 ps程度まで伸長されたことを確かめた。ダイアモンド粒子を用いて波数分解能を評価し、14 ps励起で2 cm-1の実験値を得た。ポリスチレンビーズを試料として、SRS像の信号対雑音比(SNR)や信号対背景信号比(SBR)のパルス幅依存性を調べた。同じSNRにおいて各パルス幅のSBRを比較すると、14 ps励起は2 ps励起よりも2倍程度高い値だった。スペクトル分解能の向上により、ラマンピーク中心を効率的に励起すると同時に、背景信号を抑制できたためだと考えられる。この効果を理論的に検証するために、ローレンツ関数のラマンスペクトルとガウシアン関数の励起スペクトルを畳み込んでSRSスペクトルを取得し、SBRを計算した。この数理モデルからも、パルス幅を大きくすることで、1.2~2.6倍程度SBRが向上することが示唆された。次に、細胞内に導入した低分子化合物(EdU)を異なるパルス幅でSRSイメージングし、14 ps励起において、2倍程度高いSBRで高感度に検出することができた。また、14 ps励起は2ps励起よりも低いピーク強度でのSRSイメージングが可能なため、生きた細胞への光ダメージを抑制できるのではないかと考えた。生きた細胞のタイムラプス観察を行ったところ、2 ps励起は観察途中で細胞に深刻な非線形光ダメージが生じたが、14 ps励起では比較的ダメージが少なくより高いSNRを保てることがわかった。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|