2022 Fiscal Year Annual Research Report
連続回転式低温半波長板による高精度インフレーション探索
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21J11179
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
山田 恭平 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 暗黒物質 / 宇宙マイクロ波背景放射 |
Outline of Annual Research Achievements |
CMB観測実験POLARBEARのかに座星雲の2015年から2016年の観測データの解析により超軽量axion-like particle (ALP)の探索を行った。ALP場を伝搬する直線偏光した光はその偏光角がALPの質量に応じた周波数で振動する。かに星雲はミリ波で明るい偏光天体であり、それを利用してALPにより生じる偏光角の振動を探索する。本解析ではブラインド解析を適用し、かに星雲の偏光角を見ない状態でデータの内部整合性テスト及び系統誤差の評価を行い、データ解析手法を事前に確定することでデータ解析の正当性を客観的に担保している。本研究では従来のPOLABEARのCMB解析と比べ、偏光角の較正手法を大幅に改良した。また従来のALP探索に比べ系統誤差の検証手法を改良し、より効率的な統計解析手法を導入した。結果としてかに星雲の偏光角振動の最も高精度な結果である、偏光角振動振幅95%上限の中央値0.065°を0.75 year-1を0.66 hour-1の振動周波数領域で達成した。ALPと光子の結合定数としては95%上限の中央値として2.16×10-12 GeV-1×(ma/10-21eV)を9.9×10-23 eVから4.8×10-19 eVの質量領域で達成した。これはALPにより生じる天体の偏光角振動の直接観測によるALPの探索結果として最良の結果である。以上のALP探索結果を論文にまとめた。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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