2021 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation into the regulatory mechanism of RNA silencing activity by Argonaute Aggregation
Project/Area Number |
21J11218
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
成田 晴香 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
|
Keywords | タンパク質凝集 / アミロイド様凝集 / プリオン様タンパク質 / RNAサイレンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
ショウジョウバエアルゴノート2(DmAgo2)は機能未知なN末端領域を持つ。本研究ではこれまでに本領域がアミロイド繊維へと凝集するプリオン様ドメインであることを実証し、N-terminal Argonaute Prion-like (NAP)ドメインと名付けた。今年度は、発現・精製したNAPドメインが多様な凝集状態を取ることを示した。蛍光顕微鏡を用い、NAPドメイン凝集体の直接的観察を行ったところ、多様な形態の凝集体が確認できた。そこで、観察できた凝集体について教師なし学習による形態分類を行った。その結果、NAPドメイン凝集体は繊維状凝集体及びフラクタル様凝集体の2種類の形態を取ることが示唆された。さらに、凝集体形成過程を継時観察することにより、自己相似的な凝集体の結合によりフラクタル様凝集体ができる様子を直接的に観察できた。また、繊維状凝集体はフラクタル様凝集体の基本単位である顆粒状凝集体を内部に含んでいるものが多かったことから、1)顆粒状凝集体どうしの結合によるフラクタル様凝集体形成、2)顆粒状凝集からの繊維状凝集体形成の二つの経路による凝集体形成モデルを提唱した(論文投稿準備中)。 また、NAPドメインを介したアルゴノートの凝集によるRNAサイレンシング活性調節機構の解明を目指すうえで、種網羅的なアルゴノートファミリー遺伝子に対してin silico解析を行ったところ、NAPドメインの植物アルゴノートにおける高い保存性が示唆された。そこで、NAPドメインが予測されたシロイヌナズナアルゴノート1(AtAgo1)を用いて、NAPドメインが実際にアミロイド様凝集体を形成することを実験的に確認した。さらに、NAPドメイン欠損AtAgo1変異の個体を作製したところ、発育遅延の表現型を呈したため、NAPドメインの発生過程におけるRNAサイレンシング活性制御への寄与が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初ショウジョウバエに特異的であると考えていたNAPドメインが他の生物種においても広く保存されていることを見出し、発展的にAtAgo1のNAPドメインにおいてもRNAサイレンシング活性制御への関与を示唆する実験結果が得られているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
NAPドメインをアミロイド様凝集体形成能のない配列に置換したシロイヌナズナ個体を作製し、発育遅延の表現型が実際にAtAgo1のアミロイド繊維形成能の欠損に起因するかについて検証する。
|