2021 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫羽ばたき飛行操縦性のマルチシステム強連成解析手法の開発
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21J11321
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
大西 南斗 九州工業大学, 大学院情報工学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 昆虫羽ばたき飛行 / 操縦性 / マルチシステム / 連成解析 / 受動的キャンバー |
Outline of Annual Research Achievements |
昆虫羽ばたき飛行の高度な操縦性は,柔軟な翼運動,胴体運動およびそれらを制御する脳神経系により達成されていることが示唆されている.しかし,胴体の運動,さらには脳神経系も含めて,操縦性をまるごと解析可能な手法は存在しない. そこで本研究では昆虫羽ばたき飛行操縦性を複数のサブシステムの相互作用と考える分離型解法に対して,(a)翼サブシステムの高精度化,(b)脳神経系を模擬した制御サブシステムの導入を行い,(c)昆虫羽ばたき飛行操縦性に対するマルチシステム強連成解析手法を開発する.そして,本手法により昆虫羽ばたき飛行の高度な操縦性をまるごと解析し,その有効性を実証する. 本年度は翼サブシステムの高精度化のために,実昆虫に見られるキャンバーと呼ばれる特徴的な変形を考慮可能な翼モデルを開発した.本モデルにより,実昆虫と同程度の大きさのキャンバーを再現することが可能となった. 開発した翼モデルを周囲の流体との強い相互作用を考慮した強連成解析手法に適用することで,受動的キャンバーを考慮可能なフレームワークを構築した.開発したフレームワークにより実昆虫と同程度の大きさの受動的キャンバーを再現することに成功した.さらに受動的キャンバーが空力性能の向上に寄与することを明らかにした.また受動的キャンバーの生成メカニズムについて検討した. 研究発表に示す研究成果として1件の雑誌論文,7件の学会発表(国内学会:4件, 国際学会:3件), 受賞1件を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
翼サブシステムの高精度化に当初の予定より時間を要し,脳神経系を模擬した制御サブシステムの導入開始が遅れたため.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで開発してきたシステムに対し,脳神経系を模擬した制御サブシステムを導入することで,昆虫羽ばたき飛行操縦性に対するマルチシステム強連成解析手法を開発する.そして,本手法により昆虫羽ばたき飛行の高度な操縦性をまるごと解析し,その有効性を実証する.また,得られた成果を国内外の学会で発表すると共に,論文作成を進める.
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