2022 Fiscal Year Annual Research Report
CTA大口径望遠鏡によるガンマ線バーストのジェット生成モデルの検証
Project/Area Number |
21J11379
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 志鳳 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | CTA / LST / ガンマ線 / 新星 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終ターゲットであるガンマ線バーストについては、残念ながら未だにLST-1での検出には至っていない。しかし、LST-1の運用は順調に進んでおり、すでに様々な天体を観測している。ガンマ線バーストの観測も積極的に行なっており、いつガンマ線バーストを検出できてもおかしくないところまで準備が進んでいる。解析パイプラインの整備も順調であり、すでにLST-1で観測した様々な天体のデータ解析が行われ、科学成果が出始めている。その中でも研究代表者は2021年に爆発した新星へびつかい座RS星のデータ解析を主導した。この天体は史上初めて超高エネルギーガンマ線が検出された新星で、爆発直後から注目を集めた。LST-1のデータ解析には昨年度から取り組んでいたが、今年度は観測時の望遠鏡の方向を反映したモンテカルロシミュレーションを用い、望遠鏡の性能の方向依存性を考慮することで、解析を改善した。さらに同時期のフェルミ衛星のデータを解析し、LST-1の結果と合わせてエネルギースペクトルをモデリングすることで、当該天体のガンマ線放射の物理解釈を試みた。解析の結果、LST-1で得られたデータは、MAGICおよびH.E.S.S.といった他のチェレンコフ望遠鏡と無矛盾であることが確認できた。また本解析でのLST-1のエネルギー閾値は他の望遠鏡よりも低い30 GeVを達成しており、LST-1の強みである低エネルギー閾値を示すことができた。この低エネルギー閾値は今後LSTを用いてガンマ線バーストを研究するためにも重要な性能である。物理解釈については、フェルミ衛星とLST-1のデータから、ガンマ線放射が衝撃波により加速された陽子によるものとして自然に説明できることが示され、他の望遠鏡の結果を独立に支持することができた。以上の研究成果を国内外の学会や研究会で発表するとともに、博士論文にまとめて提出した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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