2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21J11878
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
奥野 大地 沖縄科学技術大学院大学, 量子情報物理実験ユニット, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 冷却原子 / 量子計算 / リドベルグ状態 / 量子ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では昨年度までに実現したイッテルビウム原子のボース同位体174Ybの光ピンセットアレイ中でのトラップと波長556 nmの1S0-3P1間狭線幅遷移によるイメージングに加え、フェルミ同位体171Ybのトラップとイメージングに成功した。狭線幅遷移によるイメージングでは基底状態と励起状態でのトラップ深さの差がイメージングパフォーマンスに大きく影響する。171Ybではこれが特に問題になるため、本研究では双極子遷移である波長399 nm の1S0-3P1遷移をイメージングに用いた。171Ybは1/2の核スピンを持ち、それにより外部磁場ゆらぎに対して鈍感な量子ビットを実現することができる。本年度はこれまでに得られた成果を国内の学会で発表した他、論文として国際学術誌に掲載された。 また、原子を用いた量子計算の大規模化に向けて、単一真空チャンバー中の光ピンセットアレイだけでなく、複数の真空チャンバー中に構築された光ピンセットアレイを相互に接続することによるネットワーク構造の実現を目指し、光ファイバーのCO2レーザー加工によるファブリペロー型共振器作成の研究を行った。本研究ではすでに先駆的な研究がなされているイオントラップの系を想定し、光による遠隔量子エンタングルメント生成を行うためのファイバー共振器を作成した。具体的には直径125ミクロンのファイバーに対し、曲率半径500ミクロンの凹面加工を施した。これは深さ1 μm程度の非常に浅い加工に対応するため、様々な条件のゆらぎによって加工後の形状が非対称なものとなる。そのため従来の研究では所望の対称的な形状が確率的にしか得られなかったが、本研究ではゆらぎの原因を可能な限り排除した上で、形状測定とレーザー加工を繰り返しフィードフォワードな方法によって安定的に対称なファイバー共振器を作成する技術を確立した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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