2022 Fiscal Year Annual Research Report
代数曲線のm次可解Grothendieck予想について
Project/Area Number |
21J11884
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山口 永悟 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
|
Keywords | 数論幾何 / 遠アーベル幾何学 / グロタンディーク予想 / 副有限群 / 有限次可解商 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主たる対象は、遠アーベル幾何学での重要な予想であるグロタンディーク予想のm次可解化である。具体的には「ある特定の代数多様体の幾何的な情報は、その数論的エタール基本群の最大幾何的m次可解商から群論的に復元できる」という予想(以下、m次可解グロタンディーク予想)の解決を目指した。代数多様体の幾何的な情報というのは数学では非常に重要な研究対象であるが、それをより簡単な群論から復元できるというのがこの予想の重要な点であり、さらに有限次可解商まで落とし込むことにより、計算機方面を使った応用にも対応できるという大きな利点がこの予想には存在する。 本研究ではm次可解グロタンディーク予想を次の場合に解決した(以下、双曲的代数曲線のみを考え、gは種数、rはカスプの濃度を表す)。「係数体が有限体、m≧3」及び「係数体が素体上有限生成な体、m≧5」。さらに、「r≧3、(g,r)≠(0,3)(0,4)」という仮定の下では、次の結果の解決にも成功した。「係数体が有限体、m≧2」及び「係数体が素体上有限生成な体、m≧4」。これらの結果はすでに論文"The geometrically m-step solvable Grothendieck conjecture for genus 0 curves over finitely generated fields, arXiv:2010.00290"としてまとめており、現在は雑誌へ投稿中である。 また、本年度は北海道大学の第19回若手研究者集会や、九州大学のLow dimensional topology and number theory XIVで本研究内容を発表し、その際に他分野への波及についてのいくつかの可能性を得ることに成功した。遠アーベル幾何学に限らず、本研究を他分野へ広げられる可能性を得たことが、今回の最も重要な成果であると考える。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|