2021 Fiscal Year Annual Research Report
脱ユビキチン化酵素UBP13による植物ホルモン受容体機能制御と栄養応答機構の解明
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21J11970
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
LUO YONGMING 北海道大学, 生命科学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | ユビキチンシグナル / 膜交通 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,脱ユビキチン化酵素UBP13によるBRI1のエンドサイトーシス制御に着目し,栄養条件に応答した植物の成長制御機構の解明を目指している。これまでの研究から,ユビキチンシグナルによる植物栄養応答制御の重要性,特に脱ユビキチン化酵素UBP13が膜局在タンパク質の機能制御に重要な役割を果たす可能性を見出した。特に,UBP13は植物ホルモンブラシノステロイドの受容体であるBRI1のユビキチン化制御に関与する可能性が示唆された。 本研究では,UBP13とBRI1の関係性に着目し,下記2研究課題に関する詳細な解析を効率的に実施する。 1.UBP13によるBRI1のエンドサイトーシス制御機構の解明 2. UBP13を介した植物バイオマス制御の生理学的解析 当該年度は,UBP13とBRI1の生化学的な解析から,これらタンパク質同士が相互作用すること,そして,UBP13がBRI1のK63型ユビキチン鎖を除去する脱ユビキチン化活性を有することを突き止めた。実際に,UBP13とホモログUBP12の二重変異株では,BRI1のユビキチン化量が増加していた。そして,この二重変異株ではBRI1タンパク質量が顕著に減少しており,植物の成長も阻害されることを見出した。また,細胞内局在性のイメージング解析も行い,UBP13がBRI1の液胞分解を制御する因子であることを明らかにした。これらの知見をまとめ,論文発表した(Luo et al., 2022, EMBO reports)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題で計画していた各実験課題に関して,全体的に当初予定していた進捗が見られた。 UBP13によるBRI1の脱ユビキチン化活性に関する実験および変異株を用いた遺伝学的な研究をはじめ,実験系の確立に時間を要するものもあったが,目的の実験を実施し,重要な情報が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
UBP13とBRI1の関係について未解明な点についてさらなる解析を行う。まず,UBP13とBRI1の相互作用について,ブラシシノステロイド処理との関係や細胞内における相互作用の空間的情報を得る。さらに,栄養やその他の環境条件とUBP13活性の関係性につても検証する。
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Research Products
(6 results)