2022 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring non-tensor gravitational waves in anisotropic stochastic gravitational wave background from compact binary coalescence
Project/Area Number |
21J12046
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
筒井 拓也 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
|
Keywords | 重力波 / アクシオン / 修正重力理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、背景重力波のモードごとの探査を無駄なく行うために、拡張重力理論の一つとしてアクシオン由来の重力波を考え、観測された短時間重力波データを用いてそれらを探査した。この探査では、アクシオン雲に増幅・遅延された特殊な単色重力波に最適化した新手法を開発することにより、アクシオンと重力の結合定数(素粒子論において基本的なパラメーター)に対して、先行研究より最大で約10倍程度強い制限を課すことに成功した。一方で、探査を簡単化するために、「天の川銀河周辺の暗黒密度分布・典型的な速さが一様」という非物理的な仮定をしていた。現実的には、質量を持つ物質同士は重力で引き合うため、暗黒物質の存在領域(ハロー)の中心ほどその密度は高くなっているべきである。そこで今年度は、「core NFW profile」と呼ばれる現実的な暗黒物質分布を考慮し、探査・制限を精密化することに成功した。これにより、重力波が暗黒物質の密度が高いところを通過してくるか否かにより、アクシオン由来重力波の性質が大きく異なることが評価できた。例えば、アクシオン由来重力波の振幅は、その飛来方向によって9倍程度異なる。しかし昨年度の解析に用いた重力波は、たまたまその性質が暗黒物質分布の影響を受けにくい方向から飛来していたため、昨年度得た制限が堅牢なものであることが、今回の精密化で明らかにされた。 またこの精密化により、アクシオン由来重力波の振幅がその飛来方向に依存するため、背景重力波の振幅にこれまで考えられてこなかった非等方性が現れることを見出した。つまり、本申請研究である非等方背景重力波探査を行う、非常に強い動機づけを、さらに加えたことになる。現在は、この非等方性まで考慮した背景重力波のスペクトルの理論的計算を行っている。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|