2022 Fiscal Year Annual Research Report
精神的不調を抱える思春期・青年期のリカバリー促進に注目した早期支援法の開発
Project/Area Number |
21J12237
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
臼井 香 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 思春期・青年期 / 早期支援 / リカバリー / パーソナルリカバリー / 心理支援 / 質的研究 / 効果検証 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、思春期・若年成人、Adolescent and Young Adult(AYA)世代を対象とし、リカバリー志向型の早期支援プログラムの開発および効果検証することを目的とし、今年度は開発したプログラムの効果検証(パイロットスタディ)を行った。 参加者は14名(平均±SD, 15.0 ± 2.1歳、女性11名)で、発症から参加までの期間は20.4 ± 16.7か月、初診から参加までの期間は20.3 ± 32.5か月であった。本プログラムに参加したすべての対象者が、全5回のプログラムを受け、高い継続率が確認された。また、プログラムの前後で質問紙調査(生活上の安心安全感、主体性、レジリエンス)、プログラムを受けた印象に関するインタビュー調査を実施した。ウィルコクソンの符号付順位検定(有意水準0.05)により介入前後の指標得点を比較した結果、生活上の安心・安全感(WHO5, Awata et al., 2007)、主体性(SPA-5, Yamaguchi et al., 2020)の得点の有意な変化は認められなかったが、レジリエンス(ARS, 小塩他, 2002)得点の有意な増加が認められた(N = 12, Z =-2.55, p = 0.01)。また6名から得られたインタビュー調査の内容をKJ法により分析したところ、プログラム実施者との気軽で安心できる関係性、プログラム終了後の趣味や他者との交流に関する活動の拡大がプログラムで得られたこととして複数名から挙げられた。当プログラムは、不調になってまもない、リカバリーへの動機づけが低い時期に安心した関係の中で進めることができ、その後の回復につながる可能性があることが期待された。なお、これらの結果は、第29回日本精神障害者リハビリテーション学会および第17回日本統合失調症学会で口答発表により報告した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)