2021 Fiscal Year Annual Research Report
Presenting Robust Pseudo-Haptics by Manipulating Contribution Ratio of Haptics in Cross-Modal Integration
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21J12284
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平尾 悠太朗 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | virtual reality / cross-modal / pseudo-haptics / embodiment / psychology |
Outline of Annual Research Achievements |
21年度は主に次の二つの研究,1)腱振動刺激が体性感覚及びクロスモーダル触知覚へ及ぼす影響の調査,および,2)バーチャル身体操作方法の違いが身体性に及ぼす影響の調査について検討を進めた.また,クロスモーダル統合のメカニズムの説明に用いられる最尤推定法をベースに,本研究において考えられうるアプローチを体系的に再整理した.1)の研究は,本プロジェクトのアプローチである,感覚統合における感覚情報の寄与率制御をクロスモーダル触知覚へ応用するための基礎的研究である.4月現在,本研究の中で最後となる,三つめの実験を行っている最中である.すでに完了している二つの実験の結果及び現在行っている三つめの実験の途中結果は,本プロジェクトの仮説の一部を支持するものであった.2)の研究では,本プロジェクトで提案している,クロスモーダル技術の効果を高める手法に必要な基盤的仮説を,脳機能計測を用いて検討している.本研究は他大学との共同研究として進めており,こちらも現在実験を実施している最中である.21年度は当初の計画と比べると,理論の基礎検証に時間を要したものの,これらの研究により,複数のアプローチからプロジェクトの提案手法に対する妥当性の高い検証をおこなえるよう工夫しており,目的の達成に向けて順調な進展を見せていると考える.これらの実験結果は今後国際論文誌または国際会議論文へ投稿される予定である.また,現在,本プロジェクトに関わる主著論文1報(国際誌)が査読中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に比べ,仮説を補強するための基礎的研究がやや多くなったものの,共同研究によって並行してプロジェクトを進めているため,全体として大きな遅れは生じていない.
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Strategy for Future Research Activity |
上述した通り,21年度は当初の計画と比べると,理論の基礎検証に時間を要した.しかし,これらの研究により,複数のアプローチからプロジェクトの提案手法に対する妥当性の高い検証を行うことができている.22年度は,提案手法の理論的検討に加え,これらの研究で得られた知見を活かした工学的な観点での研究も展開していく.具体的には,本プロジェクトのテーマである「クロスモーダル技術の効果の増強」に対してこれまでに検討してきた手法やそのパラメータについて,実際のユースケースにおけるユーザスタディや,手法間の比較,そして,各手法の組み合わせ効果やユースケース毎の住み分けなどについて検討を進める.そして,これらの知見を国際論文誌や国際学会誌として発表するとともに,博士論文としてまとめる.
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