2022 Fiscal Year Annual Research Report
欧州における政党の越境的連携―左右の『反EU・ポピュリスト』に着目して―
Project/Area Number |
21J12297
|
Research Institution | Kyushu University |
Research Fellow |
冨田 健司 九州大学, 地球社会統合科学府, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
|
Keywords | ヨーロッパ地域研究 / 欧州懐疑論 / ポピュリズム / 欧州政党 / 欧州議会会派 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度(および繰越年度の2023年度)の研究活動においては、これまでのリサーチクエスチョンである「なぜヨーロッパのポピュリストは越境的に連携するのか」を念頭に置きつつ、その背景にある「ヨーロッパ」像に焦点を当ててきた。とりわけ、ポピュリストと主流派、双方がどのように、「ヨーロッパ」を定義付けし、概念化を行なってきたのか、という点を明らかにすることを試みた。以上の背景には、前年度以前からの研究活動にて、ポピュリスト(特に急進右派)に「『ヨーロッパ』の守り手」意識と呼ぶべきものが萌芽的に存在すること、それにより、ポピュリズムをめぐる言説が、「ヨーロッパ超国家」からの「国民国家」の防衛、と単純化できないという点、がわかってきたことがある。近年、急進右派は、「国民国家とキリスト教的伝統」からなる「ヨーロッパ」を特に強く打ち出している。
以上を踏まえ、当該年度は、ブリュッセルでの現地調査および遠隔での追加調査に置いて、欧州議会の各会派のうち5つの会派(主流派×3, ポピュリスト×2)の欧州議会議員のスタッフにインタビューを行い、それぞれの会派がどのような文脈で「ヨーロッパ」を定義しているかについての調査を行った。加えて、これらの会派が相互をどのように見ているか、とりわけ「ポピュリスト」をどのように概念化しているのか、などについての聞き取りも行った。調査からは、ポピュリストと主流派の双方が、「ヨーロッパ」の定義について、多様な側面を持ち合わせていることが明らかとなり、また、理念を超えたプラグマティクな側面をも持ち合わせていることがわかった。
得られた調査結果は、必要に応じて行う遠隔での追加調査と併せて、博士論文の執筆で活用する予定である。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|