2021 Fiscal Year Annual Research Report
装置間比較を通じた磁場閉じ込め高温プラズマの同位体効果の解明
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21J12314
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| Research Institution | Kyushu University |
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Principal Investigator |
木下 稔基 九州大学, 総合理工学府, 特別研究員(DC2)
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| Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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| Keywords | 核融合プラズマ / 大型ヘリカル装置 / 水素同位体効果 / レーザー計測 / プラズマ閉じ込め / 磁場閉じ込め / 乱流揺動 / 熱粒子輸送 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではプラズマの計測器開発を通じて揺動が閉じ込めに与える影響およびそのイオン質量依存性(水素同位体効果)を明らかにすることを目的としている．
核融合発電で想定される高密度プラズマは中赤外レーザーを用いた干渉計で計測する必要があるが，短波長であるため，機械振動の影響を無視することができない．振動を除去する手法として２波長レーザー干渉計があり，本研究ではベンチテストを通じて最適なレーザーの選択および光学系の設計を行った．開発した2波長レーザー干渉計を核融合科学研究所にある大型ヘリカル装置に導入し，高精度な高密度プラズマ計測に成功した．また，干渉計は視線積分計測であるため，逆変換プログラムの開発を行い，高精度な局所電子密度分布の計測にも成功した．
大型ヘリカル装置は軽水素および重水素を用いた水素同位体効果の研究を行うことのできる国内唯一の施設であるが，これまで揺動と輸送の水素同位体効果についての体系的な理解はされていなかった．本研究では電子密度をスキャンし，揺動と熱や粒子輸送を評価する体系的な実験を行い，高密度領域において重水素プラズマにて揺動が減少し，輸送が改善されることを明らかにした．揺動と輸送は非常に良い相関を持っており，この輸送改善を理解するためには揺動の同定が必要不可欠である．本研究では揺動の同定を行うためにジャイロ運動論的シミュレーションおよび2流体MHDシミュレーションに加えて，電子密度を固定し，イオン質量をスキャンする実験を行った．その結果，低密度領域と高密度領域では輸送を支配している揺動が異なり，この高密度領域における揺動はイオン質量に対して負の依存性を持つため，高密度領域の重水素プラズマにおいて輸送が改善されたことがわかった．この重水素プラズマにおける輸送の改善は将来の重水素・三重水素プラズマにおいて非常に有益な結果である．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的の一つである磁場閉じ込め高温プラズマの同位体効果については揺動が熱輸送に与える影響については理解することができた．粒子輸送については算出した輸送係数の理解において困難な点があり，評価法の見直しも含めて検討が必要である．一方，トカマク装置TCVとの装置間比較についてはコロナ禍ということもあり，実験が困難であった．この点についてはLHDにおいて磁場構造を変化させ，検討したいと考えている．
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| Strategy for Future Research Activity |
乱流揺動がプラズマのエネルギー・粒子閉じ込めに与える影響およびその水素同位体効果については乱流揺動に電子密度依存性は低密度領域と高密度領域で異なることがわかり，特に高密度領域では軽水素プラズマと比べ重水素プラズマにおいて乱流揺動が抑制され，エネルギー閉じ込めが改善することがわかった．これは高密度領域で現れる揺動がイオン質量に対して負の依存性を持つためであることを，揺動の同定を通じて明らかにした．一方，粒子閉じ込めについてはこれまで電子密度分布計測精度が不十分であったため評価が困難であった．そこで昨年度，LHDへ80chCO2/QCLレーザー干渉計の導入を行い，高精度かつ安定した電子密度分布計測に成功した．粒子輸送は変調実験により評価を行うため，これを用いることで高精度高空間分解能な変調成分の計測が可能となるうえ，プラズマ周辺部の密度分布形状を計測することができるため，粒子輸送方程式を解く際に必要となる粒子ソース形状の実験的な評価も可能となる．本年度は粒子輸送の評価を高精度に行い，揺動の遷移が粒子輸送に与える影響について理解する．
また，磁場配位の最適化のために磁気軸を変更し，実験を行いたいと考えている．高密度領域で現れた揺動は磁気丘条件で現れる揺動であり，磁気軸を変更することで磁場条件を変更することが可能となり，揺動を抑制する磁場配位の探索を行いたいと考えている．
以上をつうじてLHDにおける揺動が閉じ込めに与える影響およびその同位体効果，これらの知見を通じた磁場配位の最適化研究を完結したいと考えている．
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Isotope effects on transport in LHD2021
Author(s)
Tanaka K, Nagaoka K, Ida K, Yamada H, Kobayashi T, Satake S, Nakata M, Kinoshita T, Ohtani Y, Tokuzawa T, Takahashi H, Warmer F, Mukai K, Murakami S, Sakamoto R, Nakano H, Osakabe M, Morisaki T, Nunami M, Tala T, Tsujimura T, Takemura Y, Yokoyama M, Seki R, Igami H, Yoshimura Y, Kubo S, Shimozuma T, Akiyama T et al.
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Journal Title
Plasma Physics and Controlled Fusion
Volume: 63
Pages: 094001～094001
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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