2021 Fiscal Year Annual Research Report
都市構造に制約される現代的社会インフラ敷設に対するシュタイナー問題の発展的適用
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21J12415
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田端 祥太 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | ネットワークデザイン / 多目的最適化 / トレードオフ / ヒューリスティック / 重み付き領域 / ランダムドロネー網 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ネットワークの構築費用(辺の重み付き長さの総和)と移動費用(平均迂回率)を最小化する多目的最適化問題を発見的に解く方法を開発した.この方法は,人の歩行軌跡が重畳してできるネットワークにおいて,辺の長さの総長と平均迂回率が小さくなるメカニズムを模した発見的方法である. 本年度の研究実績は主に以下の2点である. (1)ユークリッド平面上,すなわち,単位長さ当たりのネットワークの構築費用が一様である場合の方法を開発し,その性能を検証した.構築費用と移動費用の面で理想的とされる近接グラフとの比較により,本手法で得られるネットワークが同等かそれ以上の性能を発揮することを確認した.また,パレートフロンティアの近似を通じて,構築費用と移動費用の多目的最適なネットワークの幾何学的形状を明らかにした. (2)単位長さ当たりのネットワークの構築費用が一様でない場合にも適用できるように,(1)の方法を拡張した.従来の高速道路網や鉄道網などに加えて,水素ガスのパイプラインやドローンの航空路網など,将来的に必要になるネットワークを見据えたとき,地物,地形,地価などの都市的な制約により生まれる単位長さ当たりの構築費用の空間的差異を考慮してネットワークをデザインする必要がある.人の歩行軌跡が,構築費用が割高になる場所を避けるように設定することで(1)の方法を拡張し,この問題にも対応可能なアルゴリズムを構築した.この拡張により,アルゴリズムは現実に則したネットワークデザインに資するものになった. これらの成果により,構築費用が最小のネットワーク(最小シュタイナー木)と移動費用が最小のネットワーク(完全グラフ)の間にある最適なネットワークを発見的に出力することができるようになった,そして,構築費用と移動費用のトレードオフの定量的な関係を近似し,それらの指標に基づく合理的な意思決定の支援が可能になった.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(3 results)