2021 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期健忘を規定する遠隔記憶機能発達動態の分子細胞基盤解明
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21J12706
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 りえ 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 幼児期健忘 / 遠隔記憶 / システムレベルの固定化 / 光遺伝学的操作 / 脳の発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、遠隔記憶機能の発達過程を明らかにすることを目指し、幼児期健忘(幼児期の記憶は直後は覚えているがその後急速に忘却が起き長期間経過すると思い出せなくなる現象)に着目し、光遺伝学的手法により幼児期回路可塑性を操作することで分子細胞回路レベルの因果関係に迫るものである。光遺伝学的操作を行うために、幼児期マウスの脳に定位ウイルス投与を行う必要があり、本年度は、(1)幼児期マウスの脳定位ウイルスインジェクション法の確立と習熟、(2)使用するウイルスの条件検討を行った。 (1)幼児期マウスの脳固定器具の作製と、投与座標の決定など、手法の開発を行った。また、幼児期マウスに適した麻酔の検討や手技の習熟に努めた。 (2)(1)で確立した方法を用いてウイルスインジェクションを行い、使用するウイルスの条件検討を行った。その結果、使用予定のAAVのセロタイプ、プロモーターが幼児期のマウスでも機能し、ウイルス投与後1週間という早い時期から発現が見られ、本実験に適していることが確認できた。 所属研究室では、これまでに、活動依存的、かつ、薬剤投与依存的に細胞をラベル可能なマウスを作製し、光遺伝学的再活性化による遠隔記憶想起を実現している。このマウスと、本成果を組み合わせることで、幼児期の学習時に活性化した細胞のラベリング、光遺伝学的な活性化や抑制実験などを行う基盤技術を今後構築し、試みていくことが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた幼児期の活性化細胞ラベリング、光遺伝学的操作に必要な手法が確立し、条件検討を終えた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度確立した手法を用いて幼児期の活性化細胞の操作実験を行う。
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