2021 Fiscal Year Annual Research Report
ビリン色素合成酵素の機構解明および機能改変による新規ビリン色素合成酵素の創出
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21J12968
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
三宅 敬太 静岡大学, 自然科学系教育部, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 光遺伝学 / 色素合成酵素 / ビリン色素 |
Outline of Annual Research Achievements |
ビリン色素はAからDまでの4つのピロール環が直鎖状に並んだ色素であるが、C-D環の間の二重結合は、光受容体シアノバクテリオクロム(CBCR)の光感知に必須である。既知のビリン色素合成酵素は、フェレドキシン依存性ビリン還元酵素(FDBR)と呼ばれる大きなスーパーファミリーを形成し、還元箇所が多様化しているが、A-B環の間の二重結合のみを特異的に還元する酵素は知られていない。この箇所の還元は、色素の吸収を大幅に短波長化できるため、CBCRが感知する光質も同様に短波長化できると期待される。私はビリン色素合成酵素の中でも、基質ビリベルジンのC-D環の間の二重結合とA-B環の間の二重結合を順に単結合に還元するPubSという酵素を土台に、合理的改変を施すことで、前半のC-D環の間の二重結合の還元活性のみを失活させることを目指した。 現在まで2つの目標を設定し、PubS酵素を対象とした研究を実施した。1つはPubSの分子構造解析であり、X線結晶構造解析を行うための結晶化条件の検討を進めている。結晶化条件は未だに見出せていないが、AlphaFold2で構造予測をすることで、基質非結合状態の分子構造のモデルを作出することに成功した。2つ目はPubS酵素への変異を導入することで、新規の色素を合成する酵素を作出することである。予測構造と配列比較を組み合わせることで、色素の結合様式に関わると考えられるモチーフ配列を見出し、実際に変異を導入した。その結果、見出したモチーフが、色素が結合する際の色素の配向を決めており、それによって、二段階の還元反応の最初の反応が阻害されるという結果が得られた。今回の変異導入では、二段階の反応の後半の反応を阻害することができたのだが、新規の色素を合成するには、前半の反応のみを阻害する必要がある。今後、さらに変異導入を行うことで、そのような改変が実現できると期待される。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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