2022 Fiscal Year Annual Research Report
炎症の持続期間により発痛から鎮痛作用へシフトする硫酸化糖脂質スルファチドの解析
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21J13141
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
森田 元樹 北里大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 疼痛 / 脊髄 / スルファチド |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究において、マウスへのCFA足底皮下投与による炎症が生じた際、脊髄においてスルファチド合成に関わる酵素の遺伝子発現及びスルファチドが増加すること、スルファチドをマウスの脊髄髄腔内に投与することでアロディニアが惹起されることが明らかになった。更に、スルファチドはグリア細胞の活性化や炎症性サイトカインの遺伝子発現の増加、一酸化窒素の放出を介してアロディニアを引き起こすことも明らかにした。また、セレクチンはスルファチドの結合タンパク質として知られている。セレクチン阻害剤であるbimosiamoseは、スルファチドによるアロディニアを抑制すること、炎症性疼痛モデルマウスに対してアロディニア抑制作用を有すことを示した。本年度はこれらを踏まえ、スルファチドによるサイトカインの遺伝子発現の増加に着目して検討を行ったところ、一酸化窒素合成酵素の阻害剤およびbimosiamoseの前処置により遺伝子発現の増加は有意に抑制されたことから、スルファチド投与後の炎症性サイトカインの遺伝子発現の増加は一酸化窒素、セレクチンが関与していることが明らかになった。セレクチンはアストロサイトに発現していることが小脳由来の初代培養細胞を用いた研究によりJeonら(Jeonら、The Journal of Immunology、181 (11) 、8077-87、2008年)によって報告されているが、脊髄においてもアストロサイトに発現しているかは今後検討する必要がある。 また、疼痛時には機械的刺激だけでなく熱刺激、化学的刺激に対しても過敏になることが知られているため、スルファチドが熱痛覚過敏を引き起こすか検討を行った。その結果、スルファチド投与によって熱痛覚過敏が引き起こされ、これはbimosiamoseによって抑制されることも明らかになった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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