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2021 Fiscal Year Annual Research Report

ロングリードによる肺がんゲノム構造変異とDNAメチル化状態の統合解明

Research Project

Project/Area Number 21J13203
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

坂本 祥駿  東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2021-04-28 – 2023-03-31
Keywordsロングリード / がんゲノム / DNAメチル化
Outline of Annual Research Achievements

本研究は,1) ロングリードシークエンス技術を用いたDNAメチル化検出手法の検討,及び,2) DNAメチル化と構造変異を統合的に解析するためのパイプラインの開発,および,臨床検体データへの適用,という二つの具体的な研究目標を設定している。
1) ロングリードシークエンス技術を用いたDNAメチル化検出手法として,新たな実験手法・解析手法の開発を行うことができた (nanoEM)。この手法を乳がん細胞株,および,乳がん臨床検体に対して適用し,得られた研究成果を論文にまとめ,発表することができた(Sakamoto et al., 2021)。この手法は要求DNA量が比較的少ないという点で,新たに臨床検体を解析する際に,有用であると考えられる。また,Oxford Nanopore Technologies社のロングリードシークエンサーでは,全ゲノムシークエンスデータからDNAメチル化を検出することが可能であり,既に取得済の肺がん臨床検体20例のロングリード全ゲノムシークエンスデータに対して,メチル化検出を行った(Sakamoto et al., 2020)。これは,データ取得済の臨床検体の再解析という観点から非常に有用であると考えられる。
2) 肺がん臨床検体20例のロングリード全ゲノムシークエンスデータを用いて,構造変異とDNAメチル化状態を統合的に解析するためのパイプライン開発を行った。特に,構造変異とDNAメチル化状態をアリル情報と結びつけて解析するパイプラインを整えた(Sakamoto et al., in press)。シングルアリルレベルでの統合解析が可能になると,構造変異とDNAメチル化状態の新たな特徴を捉えることに繋がり,また,RNA-seqデータと組み合わせることで,構造変異の誘導が生じるオミクス環境の評価を行うことができると考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在までの研究は,おおむね順調に推移していると考えている。本研究の成果として,ショートリードシークエンス技術を用いたメチル化解析手法であるEnzymatic-Methyl seq (EM-seq)のナノポアロングリードシークエンサーへの応用に関して,測定技術ならびに解析技術の開発を行い,学術論文を発表することができた(Sakamoto et al, Nucleic Acids Research, 2021)。また,DNAメチル化状態と構造変異の統合解析の前段階として,肺がんゲノムのハプロタイプフェージングを行い,肺がんゲノム中に生じている構造変異とDNAメチル化状態のシングルアリルレベルでの解析を行った。加えて,その研究内容を学術論文にまとめた(Sakamoto et al, in press)。これらの研究結果を応用し,肺がんゲノムにおけるDNAメチル化状態と構造変異の統合解析に向けた,新規解析パイプラインの開発を行っているところである。しかしながら,統合解析パイプラインの開発の完了,また,パイプラインの臨床検体へのデータへの適用,さらには,構造変異とDNAメチル化状態を統合解析することによる生物学的な意義の発見には至らなかった。本年度は,これらの点に着目し,計画を推進していきたいと考えている。

Strategy for Future Research Activity

今年度は,ロングリード全ゲノムシークエンスデータを用いた,構造変異とDNAメチル化状態の統合解析パイプラインの開発の完了,さらには,パイプラインの肺がん臨床検体20例に対する適用を目指す。特に,構造変異をサポートしているリード由来のDNAメチル化頻度と通常組織由来のDNAメチル化頻度の差,また,構造変異が生じているアリルともう一方のアリルのメチル化頻度の差を見ることで,DNAメチル化と構造変異の関連性を一分子・シングルアリルレベルで解明することを目指す。また,RNA-seqデータを用いることにより,DNA メチル化状態および構造変異が遺 伝子発現・転写制御に及ぼす影響および構造変異の誘導が生じるオミクス環境の評価を行う予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Long-read whole-genome methylation patterning using enzymatic base conversion and nanopore sequencing2021

    • Author(s)
      Sakamoto Y, Zaha S, Nagasawa S, Miyake S, Kojima Y, Suzuki A, Suzuki Y, Seki M
    • Journal Title

      Nucleic Acids Research

      Volume: 49 Pages: e81~e81

    • DOI

      10.1093/nar/gkab397

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] ナノポアシークエンサーを用いたがんゲノム中の複雑な構造変異とDNAメチル化状態の統合解明2021

    • Author(s)
      坂本祥駿,鈴木穣,鈴木絢子
    • Organizer
      第44回日本分子生物学会年会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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