2022 Fiscal Year Annual Research Report
化学繊維ロープを用いた長尺多関節ロボットアームの研究
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21J14027
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
高田 敦 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | ロボットアーム / ワイヤ駆動 / 高強度化学繊維 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では長尺な腱駆動ロボットアームで課題となるロープの伸びに起因する関節角制御の不安定性に対処し,腱の強度だけでなく安定性を加味した長尺アームの設計を目指した.2021年度では,1)全長10 mロボットアーム基部の腱を巻きとるモータに位置制御を導入した.これによりロープの伸びを可観測となった. 2)アームの機構的特徴を活用して,腱の負担を分散させた組み合わせを求める手法を定式化した.3)ロープの剛性を考慮したアーム動力学シミュレーションを行い,特にアームの体幹が上向きの姿勢ではこの不安定性が大きく,腱弾性による関節剛性を凌駕して関節角の不安定挙動を発生させることが分かった.この成果から,当初,腱素材の選定や剛性を補う機構を長尺化方策としていたが,有効な手段とはなり難いと結論付けた.そこで,本年度から,アームの制御をダイナミクスベースト制御の枠組みで行った. これは,アームは腱の剛性によって生成されるポテンシャルに従って動くと解釈するもので,目標の姿勢がポテンシャルの谷になるように腱の巻取りを制御するものである.そして,メカ的手段では解決できない不安定性への対処として次の3つに取り組んだ. 4)ロボットアームのある姿勢における安定性を指標化した.具体的には,腱の弾性によるポテンシャルとロボットアームに働く重力ポテンシャルをそれぞれ定式化し,それらの和がどれくらい凹の安定平衡点であるかを評価式とした. 5)不安定な挙動が発現しない関節角経路の計画法を提案した.開始位置から目標位置までを繋ぐ10個の関節角の経路には無数の選択肢がある.この中から4)で定式化した安定性指標が損なわれないように事前に安全な経路を探索するアルゴリズムを提案した. 6)ペイロード5 kgを保持した実機を用いて5)で提案したアルゴリズムによる経路で不安定な挙動なくゴール地点にたどり着けることを確認した.
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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