2021 Fiscal Year Annual Research Report
神経幹細胞の増殖期からニューロン分化期への転換メカニズムの解明
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21J14115
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桑山 尚大 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 神経幹細胞 / クロマチン |
Outline of Annual Research Achievements |
脳を構成するニューロンとグリア細胞は、共通の神経幹細胞から分化する。神経幹細胞は、発生早期に対称分裂することでその数を増やし(増殖期)、発生中期になると非対称分裂によってニューロンなどの分化細胞を産生するようになる(ニューロン分化期)。この増殖期からニューロン分化期への転換タイミングは、神経幹細胞のプールサイズを決定し、のちに産生される細胞の数(ひいては脳の大きさ)を決める重要な要素である。私はこれまでに増殖期神経幹細胞に遺伝子導入を行う新規手法を確立した。さらにこの手法を用いることで、増殖期からニューロン分化期への転換を司るタイマー因子候補としてHmga2(High mobility group AT-hook2)を新たに見出してきた(Kuwayama et al., 2020)。しかしながら、Hmga2が機能する分子基盤はこれまでのところ不明な点が多く残っていた。 そこで本期間ではHMGA2がクロマチン構造、及び遺伝子発現を制御するメカニズムに迫った。生化学解析やChIP-seq、RNA-seqなどを組み合わせて解析することにより、現在までにHMGA2の新たな機能を見出しつつある。 今後、HMGA2 がクロマチン構造を変化させる構造的基盤やその欠損がゲノム構造に与える影響を明らかにすることで、その重要性が指摘されていながら長年謎に包まれてきた HMGA2が機能を発揮する分子的基盤に迫ることができると考えている。これにより HMGA2 の関与する神経発生やガンなどの多様な生命現象の理解、および各種疾患の治療法の確立につながることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生化学解析やChIP-seq、RNA-seq により、HMGA2の新たな機能を見出しつつある。この新たに見出したHMGA2の機能が幹細胞運命に与える影響などを現在解析しており、次年度にはその重要性を見ることができることから、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
過剰発現実験や機能欠損実験を行うことで、これまでに見出したHMGA2の新たな機能が神経幹細胞の運命制御に与える実験を行う予定である。また、HMGA2が生体内でゲノム構造に与える影響を解析する実験も計画している。
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