2022 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡な[1]ロタキサン型熱/力学センサ分子の開発とそれによる材料内イメージング
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21J14199
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮岸 拓路 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | シクロデキストリン / ロタキサン / 分子モーター / 水素結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、長寿命な準安定状態を持つ[1]ロタキサンを利用することで、熱や力学刺激などを効率的/遠隔的に可視化することである。令和3年度において超分子構造の変化を光物性に変換することに成功したことを受け、令和4年度は[1]ロタキサンの超分子構造変化のダイナミクスを調査した。 超分子構造の変化を光物性と対応づけることが可能となったため、種々の溶媒中において[1]ロタキサンの包接/脱包接反応を追跡し、熱力学的パラメータと速度論的パラメータを定量した。結果として、熱力学的パラメータは溶媒極性に依存する予想通りの結果となったが、速度論的パラメータは溶媒極性に単純に依存せず、水素結合アクセプター性の溶媒において特異的に高い値を示した。今回用いた[1]ロタキサンには弱い水素結合ドナーであるアミノ基が存在するが、その会合定数は非常に弱いにもかかわらず速度論に強い影響を及ぼすことが明らかとなった。また、水素結合アクセプターの分子を溶液に添加することで反応速度を変化させることにも成功した。 以上の結果から着想を得て、超分子構造変化の経路を変化させることで[1]ロタキサンの環成分を一方向に回転させる分子モーターの開発にも着手した。インターロック化合物の環成分の運動を用いた分子モーターはこれまでに数例が報告されているが、[1]ロタキサンの運動を用いた例は存在しない。結果として、[1]ロタキサンのアミノ基に対して保護基を着脱し、包接/脱包接反応の経路を自在に制御することで[1]ロタキサンの一方向回転を達成した。以上の知見は[1]ロタキサン型のセンサ分子を高機能化する上で欠かせないものであり、今後はポリマー材料へと展開することでより高度なセンサ材料の開発につながると考えられる。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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