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2021 Fiscal Year Annual Research Report

飽和脂肪酸刺激によるIRE1活性化機構の解明

Research Project

Project/Area Number 21J14244
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

NI SHENWEI  東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2021-04-28 – 2023-03-31
KeywordsUPR / オートファジー / ホスファチジン酸 / CDP-DAG
Outline of Annual Research Achievements

これまでの解析から、飽和脂肪酸誘導性のIRE1の活性化にはオートファジー関連遺伝子が関与していることが示唆されている。今年度は、オートファジー経路の中でどの遺伝子がIRE1の活性化に重要であるのかを解析するために、各ステップに必要な遺伝子の欠損細胞を作成し、IRE1の活性化を評価した。その結果、各遺伝子を欠損した細胞それぞれで、飽和脂肪酸誘導性のIRE1の活性化が顕著に抑制されていることがわかった。また、飽和脂肪酸誘導性のIRE1の活性化には膜リン脂質組成の変化が重要であることが示唆されているので、これらの細胞に飽和脂肪酸を添加した時のリン脂質合成を調べた。リン脂質合成を調べた結果、飽和脂肪酸添加で顕著に増加する、リゾホスファチジン酸とホスファチジン酸、中間代謝物であるCDP-DAGの量のみが欠損細胞で顕著に減少していることがわかった。また、興味深いことに、ホスファチジン酸から産生される他のリン脂質量には変化が見られなかった。これらの結果は、オートファジー経路が独特のリン脂質合成系を持っており、それが、飽和脂肪酸誘導性のIRE1の活性化を促進している可能性を示唆する。さらに、オートファジー関連遺伝子がどのようにリン脂質合成に寄与しているかを明らかにするために、リゾホスファチジン酸の合成酵素であるGPAT4の活性をin vitroで調べた。その結果、オートファジー関連遺伝子の欠損で、GPAT4の活性が減弱していることがわかった。オートファジー関連遺伝子が酵素の活性を制御する知見はこれまでになく、これは、全く新しい代謝制御機構の発見につながった結果である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画通り、オートファジー関連遺伝子がどのように飽和脂肪酸誘導性のIRE1の活性化に作用しているかを解明するためのツールとなる欠損細胞の作成が順調に完了した。また、その細胞を使用し、作用機構の鍵となる責任リン脂質を同定できうる結果が得られている。また、当初の研究計画にはなかったが、研究を進めるにあたり、オートファジー関連遺伝子がリン脂質合成酵素の活性を制御する全く新しい知見も得られた。

Strategy for Future Research Activity

現在、飽和脂肪酸誘導性のIRE1の活性化の責任リン脂質の候補としてリゾホスファチジン酸とホスファチジン酸、CDP-DAGの三つが考えられる。今後は、この三つのいずれが、IRE1の活性化に重要であるのかを明らかにするために、各リン脂質を合成する酵素を発現抑制や過剰発現させ、細胞内での量を変化させることで、IRE1の活性化に与える影響を調べる。また、実際に特定のリン脂質がどのようにIRE1の活性化を促進しているかを、生化学的な手法やin vitroの再構成実験を通して明らかにしていく予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Lipotoxic stress alters the membrane lipid profile of extracellular vesicles released by Huh-7 hepatocarcinoma cells2021

    • Author(s)
      Sandra Buratta, Y. Shimanaka, E. Costanzi, S. Ni, L. Urbanelli, N. Kono, F. Morena, K. Sagini, S. Giovagnoli, R. Romani, M. Gargaro, H. Arai & C. Emiliani
    • Journal Title

      Scientific Reports

      Volume: 11 Pages: 4613

    • DOI

      10.1038/s41598-021-84268-9

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
  • [Presentation] ホスファチジルイノシトール-4-リン酸近傍タンパク質の探索2021

    • Author(s)
      Ni shenwei、 向井 康治朗、 鈴木 健裕、 堂前 直、 新井 洋由、 田口 友彦、 河野 望、 青木 淳賢
    • Organizer
      第63回日本脂質生化学会
  • [Presentation] オートファジー関連遺伝子による飽和脂肪酸誘導性のIRE1活性化機構の解明2021

    • Author(s)
      Ni Shunwei、 葛西 俊輔、 赤木 聡介、 新井 洋由、 河野 望、 青木 淳賢
    • Organizer
      第94回日本生化学会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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