2021 Fiscal Year Annual Research Report
MCFゴムセンサを用いた超高感度・低遅延センシング技術の開発と原子力分野への応用
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21J14247
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
池田 遼 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 磁気機能性流体 / センシング / γ線 / 触覚センサ / 環境発電 / MCFゴム |
Outline of Annual Research Achievements |
原子力分野における磁気混合流体(MCF)ゴムセンサを用いた高感度な触覚センシング・放射線の環境発電技術の開発を目的として,センサ特性の把握,およびその改良を行うことを目的として検証実験を進めた。 人型ロボットの触覚センサ,太陽光および放射線の環境発電デバイスの2種類のMCFゴムセンサの作製,改良を行った。作製したセンサやデバイスを人型ロボットに取り付けることで,環境中に存在する太陽光,放射線といったエネルギーから,電気を生み出しつつ,触覚センシングを同時に行う簡易的なシステムを考案した。このシステムの特色は,市販の人型ロボットにMCFゴムセンサを取り付けるだけで実装が可能である点である。 これらのMCFゴムセンサの検証実験を,東京工業大学ゼロカーボンエネルギー研究所が所有するコバルト照射実験施設において実施した。作製した触覚MCFゴムセンサは電源を必要とせずに,何等かの計測機器によって電圧値を計測することで触覚をモニターすることができた。また,環境発電MCFゴムデバイスに対し,紫外線のみを照射した場合,γ線のみを照射した場合,紫外線とγ線を同時に照射した場合のいずれに対しても,発電効果を発揮することが確認された。さらに,紫外線とγ線を同時に照射した際の電圧変化は,それぞれを単独で照射した場合のパターンと比べ大きくなっていることがわかった。 加えて,人型ロボットへの適用を目的に,人の指を模したハプティックデバイスの開発に着手した。人間の皮膚構造内部に埋め込まれた受容体を模倣したMCFゴムを作製した後にシリコーンゴムやウレタンゴムで被覆することで作製される。この指を用いた触覚・熱センシングの検証試験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度における研究成果としては,原子力分野における人型ロボットへの応用を目的とした触覚MCFゴムセンサ,太陽光および放射線の環境発電MCFゴムデバイスの独自開発,およびこれを用いた検証実験を着実に進め,十分な進展があったと言える。また、人の指を模したより高度なハプティックデバイスへの応用や,その特性についての実験データを得るなど、次年度に向けた研究の進展もあった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度では,触覚MCFゴムセンサ,環境発電MCFゴムデバイスの性能評価試験を継続して行う。それと並行して,さらなる性能向上を目的に,センサ形状およびセンシング対象に合わせた構成材料の最適化を行う。また,人の指を模したハプティックデバイスなど,原子力分野における高感度な触覚センシングを目的とした新たな材料の開発も行う。
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