2021 Fiscal Year Annual Research Report
脛骨内側ストレス症候群の病態解明ー組織学的および超音波研究による検討
Project/Area Number |
21J14281
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
奥貫 拓実 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
|
Keywords | MTSS / 脂肪組織 / 腱交差部 / MRI / 超音波 / 組織学 / 病態 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は,昨年度繰り越した実験である1)組織学的手法による脛骨内側縁に存在する脂肪組織および腱交差部の腱の特徴や,2)超音波画像診断装置およびMRIを用いて脛骨内側部痛を有するアスリートの特徴を検討した. 1)組織学的研究では,機材の不調等で実験の進捗がやや遅れたが,概ね順調に進捗した.脛骨後内側縁の脂肪組織において,免疫染色および電子顕微鏡にて,脂肪組織が脛骨内側部痛の疼痛の要因となりうる可能性を示唆する所見を得ている.この所見を,脂肪組織が疼痛の要因となりうる他部位と比較する必要性があったため,踵部脂肪体でも同様の検討を行った.その結果,踵部脂肪体と類似した所見が認められ,脛骨後内側縁の脂肪組織が疼痛の要因となりうる裏付けとなった.また,これらの所見から,新たな課題が生まれたため,その課題の解決に向け取り組みつつ,研究成果の公表の準備を進めている.また,交差部の腱組織の組織学的所見の特徴を得ており,線維成分の配列から力学的負荷の痕跡の有無を確認している.今後,更なる検討を進め,交差部においても疼痛の要因となりうる所見が得られるか検討を進める. 2)昨年度に引き続き,脛骨内側ストレス症候群と診断されたアスリートを対象にした超音波およびMRI研究を継続して行い,年度を通して被験者を収集することで,各群目標とする人数に到達した.また,被験者を収集する中で,脛骨内側部痛の既往群の収集も行えた.現在,2名の医師に協力を仰ぎ,画像評価を進めている.脛骨内側ストレス症候群と既往群の比較を行うことで,症状や再発の要因解明につながると考えられるため,症状あり群,既往群,健常群の3群に分類した上で,脛骨内側部痛の特徴を慎重に判断している.そのため,研究成果の公表が遅れている. これらの実験成果は,2023年度中に学会や論文にて公表を進めていく予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に引き続き,組織学的研究およびMRI・超音波画像撮影を行った. 組織学では他の部位と比較することで,脛骨後内側縁の脂肪組織が疼痛の要因となりうる裏付けを得ることができた.さらに,症例数を増やし,論文公表までのデータ数を揃える必要がある. 画像撮影では,当初の予定どおり症例および健常アスリートの収集が終了し,加えて,既往例の収集が行えた. 順調にデータ収集を終えているが,当初予定しているよりもデータ量が増加し,解析に時間を要している.
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度中に収集したデータにて,解析を進め,論文公表を進める.
|