2021 Fiscal Year Annual Research Report
連続照射マイクロ波を利用する天然由来非天然創薬リード化合物の効率的創成
Project/Area Number |
21J14282
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山田 真希人 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
|
Keywords | 金属ナノ粒子 / 連続照射マイクロ波 / ケミカルコンバージョン / 天然有機化合物 / 創薬シーズ |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、当該年度において天然物の化学変換に向けた、金属ナノ粒子および連続照射マイクロ波を用いる反応の開発とそれを用いた単一天然物に対する化学変換を達成したので以下報告する。 反応開発では、ハロゲン化アリールおよびアミン類からp-キシレン中、130 ℃の高温および強塩基条件にてカップリング反応のみならず望まない副成物が生成する炭素ー窒素結合形成反応 (Buchwald-Hartwig反応) において、所属研究室独自に開発したPdナノ粒子触媒と連続照射マイクロ波を用いることで、カップリング反応のみが進行し望みの生成物を選択的に得る手法の開発に成功した。本成果は英国科学会誌Green Chemistryに掲載された。 次に上記反応手法を、申請者らが用いる海洋天然物・海綿に含まれる化合物salsolinolの類縁体、heliamineの化学変換に応用し、生物活性を有する新規天然由来非天然有機化合物の創成を目指した。heliamineのような骨格を持つ化合物が、パーキンソン病発症の原因になる可能性があるモノアミン酸化酵素 B(MAO-B) に親和性や阻害活性を有することが分かっているが、アリール基を導入した化合物の活性は報告されていない。そこで、heliamineのN-アリール化誘導体が新規創薬シーズになりうると考えた。実際の合成の前に、MAO-Bにマッチすると考えられる誘導体を計算化学ソフトにより予測・設計した。その結果、電子求引基を有するアリール基を持つ誘導体がよくマッチする可能性が示唆された。そこでそれらを含めた12種の誘導体を、上記の新規手法により合成したところ、全て合成することができた。また、それら誘導体のMAO-B阻害活性試験を実施した結果、3つの化合物が高い活性を有することが分かった。本成果は、米国科学会誌ACS Medicinal Chemistryに投稿準備中である。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|