2022 Fiscal Year Annual Research Report
果樹園における天敵カブリダニを用いたハダニ管理に関する分子生態学的研究
Project/Area Number |
21J14402
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
三川 裕也 東京農工大学, 大学院連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | カブリダニ / ミヤコカブリダニ / 生物的防除 / ハダニ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではまず、カブリダニ類によるハダニ密度抑制効果に影響を及ぼす要因を明らかにするため、2019年から2021年にかけて温室ニホンナシ圃場にミヤコカブリダニ製剤を設置し、製剤と土着のミヤコカブリダニ及びナミハダニの動態を調査樹毎にモニターした。カブリダニ種同定とそれに続く製剤と土着のミヤコカブリダニの識別は、著者らの開発したPCRとマイクロサテライトマーカーを用いた手法によって行った。その結果、2019年及び2020年ではナミハダニの初期発生を抑制することができた。しかし、2021年では製剤設置日の前後に病害を防除することを目的として散布された殺菌剤(ベノミル)によってミヤコカブリダニが十分に効果を発揮できなかったため、ナミハダニの初期発生を防除できなかった可能性を見出した。また、各年における調査樹毎の動態解析の結果、盛夏時にナミハダニの発生量に対して十分量のカブリダニ類の発生が見られた調査樹とそうでない調査樹が存在することが明らかとなった。十分量のカブリダニ類の発生が見られない要因としては、温室内の微気候が関与していることが明らかとなった。 次いで、宇都宮大学農学部附属農場の露地ニホンナシ圃場において、ミヤコカブリダニ製剤を設置し、上記手法を用いて製剤由来ミヤコカブリダニがナシ葉に到達するまでの期間とその後の水平棚を通じた隣接するナシ樹への分散について調査した。その結果、ミヤコカブリダニ製剤がナシ葉に到達するまでには13~19日かかることが明らかとなった。また、製剤由来のミヤコカブリダニは基本的に製剤を設置したナシ樹においてハダニ密度抑制効果を発揮し、隣接するナシ樹に分散する可能性は低いことが明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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