2021 Fiscal Year Annual Research Report
コア-シェル型多孔質シリコン負極の酸化物系全固体リチウムイオン電池への応用
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21J14403
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
奥野 亮太 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 全固体リチウムイオン電池 / シリコン / 多孔質 / 酸化物固体電解質 / 低融点イオン伝導体 / 低温焼結 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機電解液を無機固体電解質に置き換えた全固体リチウムイオン電池は、その高い安全性と信頼性から、電気自動車やスマートグリッド向け大型電源への展開が期待されている。また、これまでの研究から、そうしたエネルギー需要を満たす負極材料として、多孔質シリコン粒子が優れたサイクル特性を示すことを見いだしている。その一方で、これまで採用してきた硫化物系固体電解質は、大気中の水分と反応し硫化水素を発生させるというプロセス上の欠点を有している。本研究は、大気雰囲気下でも安定な酸化物系固体電解質と多孔質シリコン粒子を複合化することにより、プロセス安定性とサイクル特性に優れた全固体リチウムイオン電池の開発を目的とする。 本年度は、成形性の向上を目的として、低融点イオン伝導体であるLi2OHBrを添加した酸化物系固体電解質(Li7La3Zr2O12:LLZ)の低温焼結に取り組んだ。まず、遊星型ボールミルを使用することにより、常温でのイオン伝導度が1.1×10-6 S/cmのLi2OHBrを作製した。つぎに、5wt%から50wt%のLi2OHBr添加量を有するLLZ-Li2OHBr複合体を作製した。電気化学特性を評価した結果、Li2OHBr:35wt%でイオン伝導度は最大値6.4×10-5 S/cmを示すことが分かった。ここで、LLZ単体の断面SEM像には多くの空隙が存在したが、LLZ-Li2OHBr複合体ではLLZ粒子間にLi2OHBrが侵入し空隙は観測されなかった。以上の実験結果は、低融点材料と複合化することにより、常温加圧のみで酸化物系固体電解質を緻密化できることを示唆している。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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