2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21J14530
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
依田 彬義 東京農工大学, 大学院連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
|
Keywords | ストリゴラクトン / 植物ホルモン / 生合成 / 進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究において、陸上植物の進化的基部に位置するコケ植物のフタバネゼニゴケ(Marchantia paleacea)が生産する新規SL、bryosymbiol(BSB)を同定し、BSBがフタバネゼニゴケのMAX1ホモログ(MpaMAX1)により生成されていることを明らかにした。本研究はBSBが陸上での植物の繁栄を可能にしたSLオリジンであると仮説を立て、BSBの分布、機能を明らかにすることを目的とした。今年度は①BSBを生産する植物の探索および②シロイヌナズナにおけるMpaMAX1の過剰発現体の作出を行なった。 ①これまでに、単子葉植物であるアスパラガス(Asparagus officinalis)がBSBを生産することを明らかにしている。本研究では、さらに双子葉植物であるラッカセイ(Arachis hypogaea)がBSBの異性体を、シダ植物であるベニシダ(Dryopteris erythrosora)がBSBを生産することを明らかにした。ゲノムが読まれているアスパラガスとラッカセイについてはMAX1ホモログをクローニングし、機能解析を行なった。その結果、それぞれのMAX1ホモログによりCLからBSBまたはBSBの異性体が生成された。BSBの生産能は陸上植物に広く保存されており、BSBが陸上植物における祖先型のSLであることが強く示唆された。 ②BSBはフタバネゼニゴケだけでなく、種子植物においても生産されていることを明らかにしている。そこで種子植物におけるBSBの植物ホルモンとしての生理機能を明らかにするため、シロイヌナズナのmax1変異体においてMpaMAX1を過剰発現させたMpaMAX1過剰発現体のT3種子を作出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
種子植物におけるBSB生合成酵素の解析を進めた。シロイヌナズナにおいてMpaMAX1過剰発現体の作成も完了し、おおむね順調に進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
作成したシロイヌナズナのMpaMAX1過剰発現体の表現型の観察により、種子植物におけるBSBの植物ホルモンとしての機能解析を進めると共に、研究計画に従いフタバネゼニゴケを用いた解析に着手する。
|