2022 Fiscal Year Annual Research Report
表面局在光を用いたWet洗浄現象観測に伴う離脱ナノ粒子への作用エネルギー解析
Project/Area Number |
21J14543
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
寺山 裕 九州工業大学, 大学院情報工学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | evanescent field / shear flow / roll moment / silica nano-particle / glass substrate / Lateral Force Microscopy / acting energy / wet condition |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノ粒子挙動で構成されるようなWet洗浄(例えば半導体製造工程における被研磨基板表面上パーティクルの洗浄)では、微小粒子であるほど除去が困難とされているが、洗浄後のみに大気真空中での検査のため実現象が未だ不明であった。そこで、当研究室で開発された表面局在光を用いた光学系で、液中サブ100 nm粒子の高速な離脱挙動を観測した上で、表面上ナノ粒子の剥離に必要なエネルギー等を計測し現象の支配要因を見出すことで、ナノスケール洗浄現象の解明を目的とした。 まず、リンス洗浄時に基板表面上に発生するせん断流れによって、シリカ表面上φ50、70 nmシリカ粒子の残留、φ300 nm粒子の複数離脱を短時間(露光時間10 ms)実測し、離脱可能なナノ粒子径を把握した。 次に、『せん断流れ場で表面上付着ナノ粒子に作用する仕事』と、その対の『粒子離脱に必要なエネルギー』を測定・数値解析し、これらの優位性を評価した。具体的には、基板表面に付着したナノ粒子はせん断流れ場では、流体的抗力が粒径の2乗に比例、その力で発生するモーメントが粒径の3乗に比例と算出されたため、比較的モーメントが支配的と判明した。対して、摩擦間力顕微鏡によって測定された①剥離するまでの力の変動量[nNオーダ]と②探針の変位量[nmオーダ]で『粒子離脱に必要なエネルギー[fJオーダ]』が算出された。この離脱エネルギーを「ナノ粒子と基板表面の間で発生する物理・化学結合エネルギー」の各要素で数値計算すると、主に水素結合が支配的であった。 これらナノスケール洗浄現象におけるエネルギーが定量化され、支配要因が明らかになったことで、表面上ナノ粒子に外力場で作用する仕事(モーメントと比例と考えられる)が、粒子の離脱に必要なエネルギーを超えた条件で、粒子が離脱に至ると示唆され、その指標が示された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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