2021 Fiscal Year Annual Research Report
出力空間情報量に基づくマルチフィデリティベイズ最適化とその材料分野への応用
Project/Area Number |
21J14673
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹野 思温 名古屋工業大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | ベイズ最適化 / マルチフィデリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は, 出力空間情報量に基づくマルチフィデリティベイズ最適化について拡張を行った. まず, 提案法に必要となる数値積分などの近似方法についてより効率的な計算法を確立した. これにより, 近似精度を高めつつさらに高速な情報量の評価が可能となった. さらに, より複雑な, 複数のデータの観測を同時に行える場合を考えた. 例えば, 計算材料科学などの分野では, 長い時間をかけてシミュレーションを行うことで物性値などを計算することがある. このような場合には, その途中で近似的な物性値も同時に観測することができる. 本拡張ではこのような複数のデータが同時に与えられることを考慮した指標を設計した. また, この指標の非常に効率的な導出法を示し, より効率的な最適化が行えることを示した. 本研究成果は国際雑誌へと投稿を行い, Major Revision の判定を受け修正中である. また, 実践上重要な制約付き最適化問題にも取り組み, 出力空間情報量に基づく制約付きベイズ最適化の研究も行った. 本研究では,制約付き最適化問題に対して既存法を単純に拡張したアプローチを適用すると理論・実践的問題が生じることを示した. この問題点に対し, 情報量の下界に基づくより頑健な近似方法を提案し, また並列観測が行える場合への拡張も行った. さらに, 得られた推定量に関する理論的な検討も行った. 既存の出力空間情報量に基づく単純な拡張を含むいくつかの手法と比較し, 高い性能を持つことを数値実験により示した. この研究成果は国際学会へと投稿を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
出力空間情報量に基づくマルチフィデリティベイズ最適化法については, より実践的な状況に即した拡張を行った. さらに, 材料分野における物性値推定を含むいくつかの数値実験からその有効性を確認することができた. 一方で, 当初予定していた理論解析についてはいまだ具体的な成果は得られていないことを鑑み, やや遅れているものとした.
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Strategy for Future Research Activity |
材料データへの適用は引き続き行っていく. 理論解析については, 多少簡略化した獲得戦略についての解析からはじめていく. また, 本年度に提案した制約付きベイズ最適化法や予備的に得られていた多目的ベイズ最適化法のマルチフィデリティ拡張に取り組む.
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Research Products
(6 results)