2022 Fiscal Year Annual Research Report
世界初の脂質代謝改善ジペプチドの発見を基盤とするペプチド研究の革新的展開
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21J14848
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
坂野 新太 岐阜大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | PepT1 / LC-TOF/MS / 体内吸収 / PPARα / CYP7A1 / 細胞内コレステロール / HepG2 / AlphaFold2 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、Phe-Pro (FP) はコレステロール (CHOL) 代謝を改善する作用を有することを、PepT1欠損マウスへの経口投与試験 (600 mg/kg/day) で明らかにしてきた。他方、摂取後のFPの生体内での作用機序については不明のままであった。昨年度は、Wistar系雄ラット (11週齢) にFPを単回経口投与 (600 mg/kg) し、門脈採血をおこなった。その後、AccQ Tagアミン誘導体化LC-TOF/MS法 (内標準:[13C9,15N1] FP) により血中濃度を測定し、FPが0.485 nmol/mL-plasma存在することを判明し体内吸収性を証明した。そこで、今年度はこれらの濃度をベースに、HepG2細胞でCHOL代謝改善作用の影響を評価した。 1.生理的血中濃度FPはCHOL蓄積を抑制する 血中濃度レベルでHepG2細胞に対するFP添加の影響を検討したところ、0.485 nmol/mL濃度のFP添加によって細胞内CHOL濃度は有意に低下し、CHOL分解系律速酵素であるCYP7A1やPPARα mRNAレベルは有意に増加した。FPの構成アミノ酸混合物(F + P)では低下作用は認められなかった。また、PPARαアンタゴニスト存在下でFPの作用が消失したことから、FPはPPARα刺激を介して作用発現していると推察された。 2.FPはPPARαの新規リガンドである AlphaFold2を用いたin silico解析によって、FPを含む132種類のジペプチドにPPARαとの相互作用が認められ、PPARαのリガンド候補となりうることが示された。以上より、FPはPPARαのリガンドとして作用し、肝臓においてCHOL代謝を改善する作用を有するペプチド体であることが示された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] The physiological blood concentration of phenylalanine-proline can ameliorate cholesterol metabolism in HepG2 cells2023
Author(s)
Banno. A, Yamamoto M, Mijiti M, Takeuchi A, Ye, Y, Oda N, Nishino, N, Ebihara A, Nagaoka S.
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Journal Title
Biosci. Biotechnol. Biochem.
Volume: 87
Pages: 90-98
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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