2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21J14883
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 裕斗 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | ナノクラスター / 錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、Ag29 NC表面に配位点や触媒機能点を有するNCの創成を目的とした。まず、二座配位子として12分子の1, 3-ベンゼンジチオール(BDT)と単座配位子として4分子のトリフェニルホスフィン(TPP)で構成されるAg29(BDT)12(TPP)4に注目した。TPPはBDTより配位力が著しく弱いことが知られており、NC表面において配位子交換法によるルイス塩基性分子の導入が比較的容易であることが予想された。そこで、TPPの代替配位子としてTPPを基本骨格としたトリピリジルホスフィン誘導体(TPyP)を合成し、錯形成に伴う架橋構造形成によるAg29 NCを基本骨格としたNC超構造体の構築を目標とした。配位子合成は順調に進展し、TPyPを用いたAg29(BDT)12(TPyP)4の合成は質量分析によって確認された。しかしながら、架橋構造構築のために金属イオンの添加を試みたが、NCの凝集により良好な結果を得られなかった。次にTPyPによる錯形成を優先し、配位子交換法によってNC表面に導入することを試みたが、同様にNCの凝集が見られた。NC凝集の要因として、系中への急激な金属イオンの添加によるTPP及びTPyPの吸脱着平衡に悪影響を与えることが予想されたため、Ag29(BDT)12(TPyP)4の溶液に金属イオン溶液を少量加え蒸気拡散法による結晶化を試みた。その結果、赤色の透明固体が得られたものの、アモルファスであることがX線構造解析によって明らかになった。TPPは系中のTPP濃度に依存してAg29 NCに配位平衡が決定される。このことから、結晶化が進み、系中のTPyP濃度が徐々に低下していくことでNCからのTPyPの脱離が進み、Ag29(BDT)12(TPyP)x(x=1-3)の割合が増加し、結晶中の均一性が失われたと考えられる。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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