2022 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙X線観測と地上プラズマ実験で切り拓く超新星残骸の精密分光
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21J14908
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
天野 雄輝 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 超新星残骸 / X線天文学 / XRISM / プラズマ実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
超新星残骸(SNR)のX線観測から、親星が合成した元素の組成比などの情報が得られ、超新星の爆発機構といった重要問題に迫ることができる。こうした問題に迫る上で重要なのは、X線スペクトル解析の基礎となる、原子物理への理解である。本DCでは、回折格子によるSNRのX線精密分光観測と多価イオン生成装置 Electron Beam Ion Trap (EBIT)を用いた地上プラズマ実験を組み合わせ、SNRのX線解析に使用する輝線放射モデルの構築を行う。 令和3年度はプラズマ実験に集中的に取り組む予定だった。予定していた実験工程の一部を来年度以降に行うことになったが、概ね想定通りに進んでいる。本DCで予定していた、プラズマ実験の全工程は、ドイツのマックスプランク核物理学研究所での装置の開発、日本のJAXAへの装置の輸送と立ち上げ、EBIT単体での実験による装置の性能評価と二電子性再結合の反応係数の測定、放射光施設での鉄イオンの遷移確率測定である。当初はこの内のEBIT単体での実験までを令和3年度に行う予定であったが、コロナウイルスやウクライナの情勢の影響で装置の開発の達成にとどまった。令和4年度の5月にEBITは日本に輸送され、立ち上げ作業が完了した。実験の日程が後ろにずれ込んだ影響により、単体での実験成果は論文として公開するところまでは行かなかったが、性能評価は行っており、装置が想定通りの性能を出すことを確認し、日本天文学会で口頭発表を行った。また、コロナウイルスの影響により、追加実験のためのドイツへの再渡航が行えなかったので、その分の旅費は電子銃の修理に必要なカプトン被覆銅線の購入にあてた。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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