2022 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト科におけるオスの共存メカニズムの進化:Pan属2種の比較
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21J15095
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柴田 翔平 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | チンパンジー / ボノボ / オス / 攻撃性 / 離合集散 / Pan属 |
Outline of Annual Research Achievements |
①. 2022年4月から8月まで、修士課程で記録したデータに基づき執筆し、昨年度投稿した論文の改稿・再投稿を行った。カリンズ森林保護区のチンパンジーのオスは、順位に応じて参加するパーティサイズに異なる傾向を持つことが示唆された。特に低順位のオスは、交尾可能なメスの不在時、単独で遊動する傾向が他の順位のオスよりも高かった。また、パーティ内のオスの数が増加すると、その中でオスが受ける攻撃交渉も増加することが示唆された。本研究は「カリンズ森林保護区のチンパンジーの離合集散性における低順位オスによるパーティ選択」として国際誌「Animals」で出版された。 ②. 2022年9月以降は、2019年7月から2020年1月の野外調査で集めたコンゴ民主共和国、ルオー学術保護区ワンバにおける野生ボノボのオスの攻撃交渉とグルーピングパターンのデータを解析し、修士課程で収集したカリンズのチンパンジーのデータと比較した。ワンバのボノボのオスは、他のオスがいないパーティに参加することはほとんどなく、パーティ参加という視点では、常に他のオスと共に過ごしていることが示唆された。パーティ内で行われる攻撃交渉は、全体の半数以上が特定の2頭のメスの息子たちの間で行われていた。また、ボノボではオス間の攻撃交渉にメスが参加するが、チンパンジーではそのような事例は見られなかった。このことから、ボノボのオスの順位をめぐる争いは母親が存命の一部のオス間で頻発し、その他のオスは攻撃交渉に関わることも少ないと示唆された。 ③. ①と②で解析したチンパンジーとボノボのオスの攻撃交渉と遊動傾向を比較し、結果を博士論文にまとめた。当該内容は査読付き書籍の章として受理されており、出版予定である。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)