2022 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト染色体 3q29 領域の欠失を導入した精神疾患モデルマウスの分子病態研究
Project/Area Number |
21J15163
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬場 優志 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
|
Keywords | 自閉スペクトラム症 / 統合失調症 / 疾患モデルマウス / 神経細胞の発達 / 分子病態 |
Outline of Annual Research Achievements |
染色体3q29領域欠失は、自閉スペクトラム症や統合失調症といった精神疾患に対するオッズ比が20~100と非常に高く、精神疾患領域で最大なものの1つであるため、精神疾患の発症と強く関与することが示唆されている。しかし、3q29領域欠失による精神疾患の発症に関わる分子病態は未解明な部分が多く残されている。これまでの本研究において、本欠失領域と相同なマウス染色体領域を欠失した疾患モデルマウス(3q29欠失マウス)を用いて、3q29領域欠失により、大脳皮質の抑制性神経細胞やモノアミン神経細胞の機能が低下すること、大脳皮質神経細胞の過剰な活性化が引き起こされること、および精神疾患に関連する行動異常が誘導されることを示唆する結果を得ている。本年度は、抑制性神経細胞などの大脳皮質の神経細胞の発達過程に着目し、疾患発症メカニズムを明らかにすることを目的に研究を推進した、その結果、細胞の増殖能と細胞死を測定することにより、3q29欠失マウスの胎児脳において、神経細胞の増殖能に差は見られない一方で、細胞死が増加することが明らかになった。近年、脳の発達異常や、脳の興奮性と抑制性の神経細胞の活動のバランスの異常が、自閉スペクトラム症や統合失調症の発症に関わることが示唆されている。本年度の研究で得られた結果は、3q29領域欠失によって、直接的に抑制性神経系やモノアミン神経系の発達異常や機能異常が誘導され、それが精神疾患の発症につながる可能性を示唆するものである。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|