2021 Fiscal Year Annual Research Report
血管特異的Exocyst Complexが担う新たな血管新生機構の解明
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21J15321
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
渡部 千里 滋賀医科大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 血管 / 発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、発生期の血管内皮細胞で特異的に発現し、血管新生に関与する遺伝子として同定したExoc3L (Exocyst Complex Component 3-Like Protein)遺伝子群に着目し、その中でも特にExoc3L2遺伝子を欠損したマウスの解析を行う。本研究ではExoc3L2の役割を個体レベルで明らかにすることで、血管新生の中でも血管の安定化を制御する新たな分子機構を解明することを目的としている。昨年度までの解析では、Tie2-Creマウスを用いて血管内皮細胞特異的にExoc3L2をKOしたコンディショナルKOマウスを作製し、このマウスが全身性のExoc3L2 KOマウスと同様に出血像を呈しながら胎生致死となることを明らかにした。VE-cadherinの細胞膜への輸送が出血の 原因と考えられたため、出血を呈するマウスの皮膚をサンプリングし、VE-cadherin抗体を用いて免疫染色を行なったが、コントロールマウス と比較してVE-cadherinタンパクの量や局在に差は見られなかった。一方、Exoc3L2 KOマウス、Exoc3L2 cKOマウスでは出血の他に、胎生期において心室壁の菲薄化が生じていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで出血が原因と考え、候補タンパク質の同定を試みたが、未だ同定できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
出血を呈するマウスの皮膚においてVE-cadherinタンパクの量や局在に差は見られなかったが、Exoc3L2の発現が胎生9.5日頃では全ての血管内皮細胞で発現するのに対し、出血をきたす胎生15.5日では比較的太い血管では発現しておらず、細い血管でのみ発現していたことから、細い血管に着目して解析を進める予定である。
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