2021 Fiscal Year Annual Research Report
Multi-modal representation learning for improving the retrieval of Ukiyo-e records
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21J15425
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
李 康穎 立命館大学, 情報理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 古代文字認識 / 字形検索 / 距離学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、落款や印譜の検索技術は飛躍的に発展し、研究者にとって重要なリソースとなっている。しかし、既存の古文検索システムでは、書体や形状、筆順に焦点を当てた異なる分野の研究者が必要とする情報を見つけるのは難しいことがある。そこで、本年度では古典文字の特徴を抽出し、一つの古典文字書体サンプルだけで検索性能を向上させる新しい深層学習モデル構造を提案した。この提案は距離学習というコンセプトに基づいている。距離学習は特徴ベクトル間の距離を最小化することで、同じクラス内のデータを密集させ、異なるクラス間のデータを分離する学習アプローチである。提案された手法は、「白川フォント」甲骨文データセットを基にした古代文字認識システムとして実装され、自由な筆順入力による甲骨文字の検索が可能となる。これは、深層学習モデルが筆跡のパターンを抽出し、筆者の特性を反映した検索結果を提供できるという利点を生かしている。テストデータセット、評価指標、比較実験を用いて、提案されたモデルの優位性と性能を明らかにした。結果は、この新しい深層学習モデルが効率性を持って古典文字を処理することを示している。これらの成果は、古典文字認識の技術フレームワークだけでなく、教育アプリケーションの開発にも応用可能である。このようにして、深層学習と距離学習の組み合わせによる新しい古典文字検索技術は、古文書研究の新たな可能性を切り開くことが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近年、落款や印譜の検索技術が急速に進展していることは明らかで、それは研究者にとって重要な資源となっている。しかし、既存の古文検索システムの制約に直面しており、書体や形状、筆順に焦点を当てた異なる分野の研究者が必要な情報を見つけることが難しいという問題に取り組んでいる。そこで、本年度では新たな方法を探求し、古典文字の特徴を抽出し、古典文字書体の1つのサンプルだけで検索性能を向上させるため、Prototypical Networkに基づく新しい深層学習モデル構造を提案した。この提案された手法は、すでに「白川フォント」甲骨文データセットを基にした古代文字認識システムとして実装されており、自由な筆順入力による甲骨文字の検索が可能になっている。実験結果は、古典文字認識のさまざまな技術フレームワークで利用できるだけでなく、教育アプリケーションの開発にも応用可能であると示している。これまでのところ、本研究の取り組みは予定通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の研究進行状況を踏まえ、以下に今後の研究推進方策を提案する: データ集約:「白川フォント」甲骨文データセットは有望な結果を示しているが、更なる精度向上のため、様々な古典書体のサンプルデータを増やすことを検討する。 モデルの最適化:Prototypical Networkに基づく深層学習モデルは有効であることが確認されたが、他の深層学習モデルとの組み合わせや、パラメータチューニングを通じて更なる性能向上を試みる。 複数分野との連携:我々の研究は、古典文字認識だけでなく教育アプリケーション開発など、様々な分野における応用が可能であると示されている。そのため、関連分野の研究者や開発者とのコラボレーションを推進し、シナジー効果を生むことを目指す。 フィードバックの活用:古典文字の検索システムのユーザからのフィードバックを収集し、システムの改善とモデルの再訓練に役立てる。 継続的な評価:新しい手法の開発と並行して、定期的なモデル評価を行うことで、研究の進行を定量的に把握し、必要な調整を行う。これらの方向に基づき、研究が更なる進展を遂げ、結果を最大限に活用することを目指す。
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