2021 Fiscal Year Annual Research Report
Organophosphaste and neonicotinoid pesticide exposure and related central nervous system disorders in farmers in Central Java, Indonesia
Project/Area Number |
21J15594
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
SOLEMAN SANI 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 有機リン農薬 / ネオニコチノイド / インドネシア / 農業従事者 / ヒト生物モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
インドネシアにおいて、殺虫剤に用いられる農薬はこれまでの有機リン農薬から、ネオニコチノイド農薬に移り変わっている途上である。農業従事者の個人保護具の着用は推奨されているが実際の曝露状況についての調査は行われていない。ネオニコチノイド農薬の有害性についての疫学的な研究は途上であり、農業従事者へのリスクは不確かである。本研究では、有機リン、ネオニコチノイドを簡便に測定できる方法を開発し、インドネシア農民の有機リン・ネオニコチノイド農薬曝露を評価する。また農薬曝露の有害アウトカムとして中枢神経系障害との関連を評価することである。 本年度は、まず調査準備のため曝露評価法の開発を進めた。代表的な尿中代謝物について選定を行い、ガスクロマトグラフィー法で予備検討を行なった。研究プロトコルを確定(曝露評価項目、CNS障害調査法)し、インドネシア協力機関での研究倫理委員会への計画書提出、インドネシア政府への調査許可書を得た。新型コロナウイルス感染症の状況を考慮しながら、現地調査を実施するため、調査地区での研究体制の構築、協力者(医師、医療スタッフ)の募集を事前に現地協力機関と進めた。調査スタッフのトレーニング(質問紙の記入・問診、CNSスクリーニング検査、採血)をオンラインで行った。ヒト由来検体の国外提供が新規制の導入後、困難となったため、現地で化学分析を行うためのセットアップについて現地協力機関と進めた。特に分析機器の仕様が異なるため、検出法について修正を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症のまん延のための入出国の制限、またインドネシアからの検体持ち出しに関する新規制の手続きが現実的に研究期間内で完了しない見通しとなり、現地測定のための調整でやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、1.現地参加者募集・CNS障害調査、2.検体分析による曝露評価、3.統計解析を行う。 新型コロナウイルス感染症の状況を考慮しながら、現地調査を実施する。インドネシア中部ジャワ州メラピ山周辺地区において、現地協力機関とともに2ヶ月間かけて参加者をリクルートする。血液試料、尿試料を採取し、神経学的評価は質問紙、簡易タスク課題により行う。検体のインドネシア国外への持ち出し規制が研究開始後に導入されたため、分析は現地の協力研究機関において、申請者自身で実施する。農薬代謝物は主に尿試料により行う。固相抽出により精製し、ガスクロマトグラフィー質量分析法により測定する。血液所見としてアセチルコリンエステラーゼ活性、血中アセチルコリン量を測定する。 得られたデータについて統計解析を実施する。神経学的評価にもとづいてカテゴリ分類、あるいはスコアの連続量としてアウトカムとする。農薬曝露指標としての尿中代謝物濃度のクレアチニン補正値を用いて、重回帰分析、ロジスティック回帰分析を行い、関連について評価する。
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Research Products
(3 results)