2022 Fiscal Year Annual Research Report
周囲環境及び環境変化への暴露が行動に及ぼす影響のマウスモデル実験による検討
Project/Area Number |
21J15696
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
助川 桃枝 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 環境変化 / エンリッチ環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はRNA修飾関連遺伝子改変マウスの行動を解析した。 まず、「豊か」「通常」それぞれの環境で育った遺伝子改変マウスに対して、感覚、運動から記憶に至るまでの行動テストバッテリー解析を行った。その結果、遺伝子改変マウスの一部の行動特徴が外部環境により変化することを確認した。これは、RNA修飾関連遺伝子が遺伝と環境の相互作用に特定の行動領域において関わることを示唆する成果である。 一方で、豊かな環境を失う「ネガティブな環境変化」曝露下における行動を調べたところ、遺伝子改変マウス群とコントロールマウス群の双方で、攻撃行動の増加などの顕著な個体間相互作用の変化が見られない傾向があった。この理由として、本年度用いたC57BL/6系統マウス(遺伝子改変マウス作出において一般的な系統)は、前年度に発表した論文で用いたBALB/c系統マウスよりもストレスに強い傾向にあることが考えられる。この2つの系統の遺伝的違いが、「ネガティブな環境変化」曝露下での2系統の行動の違いを生んだ要因の1つである可能性がある。 上記の観察結果(遺伝子改変マウス系統において「ネガティブな環境変化」曝露下で行動が顕著に変化しない)は当初想定していなかったものであったため、RNA修飾関連遺伝子と行動の関係について別の手段で探究する方向へと研究方針を転換した。具体的には、マウスの行動の常時モニタリングが可能かつオペラントチャンバーを備えた特殊ケージを用い、日常行動、行動の柔軟性、動機づけなどの評価項目を備えた追加の行動テストバッテリー解析を行った。その結果、この遺伝子改変マウスは、強い空間選好バイアス、motivated行動の減少などの特徴的な行動を示すことが明らかとなった。これは、このRNA修飾関連遺伝子が関わる神経基盤の理解に貢献する成果である。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Acute environmental de-enrichment triggers severe aggressive behavior in BALB/c mice2022
Author(s)
Sukegawa, M., Yoshihara, T., Hou, S., Asano, M., Hannan, A., & Wang, D. O.
Organizer
International Behavioural Neuroscience Society 31st Annual Meeting
Int'l Joint Research