2022 Fiscal Year Annual Research Report
粒子飛跡内線形重合反応による普遍的ナノ材料形成と機能開拓
Project/Area Number |
21J15721
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂口 周悟 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | ナノワイヤ / 荷電粒子線 / フラーレン / 電気伝導度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、単一粒子誘発固相重合法(STLiP 法)を利用して有機ナノ材料の構築を進めている。高エネルギーを有する“荷電粒子一つ”の直進する飛跡を“最小の反応場”として捉え、単一粒子が化学反応を誘起することで理論上最も小さい領域にエネルギーが集約され、低分子化合物の固相重合を実現し、微細加工・材料形成を可能にしている。フラーレン薄膜に対してサイクロトロンで加速した450 MeVのXe粒子を照射した後、高真空下での加熱により未照射部位を昇華させるDry Processで処理することで、自立したナノワイヤの単離に成功した。一方、基板に対して垂直に粒子を照射する従来方法では、形成されるナノワイヤの長さが作製した材料薄膜の膜厚に制限される問題点があった。そこでSTLiP法をさらに改良し、基板に対して水平に粒子を照射することで長さ10マイクロメートル以上、アスペクト比にして1000にもおよぶ非常に長く配向のそろったナノワイヤアレイの形成に成功した。こうして得られたフラーレンナノワイヤに対し電気伝導度を測定したところ、薄膜状態に比べて非常に大きい伝導度を示すことがわかり、これはナノワイヤ中のフラーレン重合体の形成を示唆していると考えられる。さらに、マイクロ波過渡分光法(FP-TRMC法)によってナノワイヤアレイの異方的電気伝導特性を評価したところ、ナノワイヤ一次元方向とマイクロ波電場方向の配向に応じて高い異方比(~100)を示すことが明らかになり、ナノワイヤの特異的構造を活用した一次元キャリア輸送の実演に成功した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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