2022 Fiscal Year Annual Research Report
日本産ヒキガエル属における交雑帯を介した種分化機構の解明
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21J15839
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福谷 和美 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | MIG-seq / 集団遺伝 / 次世代シーケンサー / ゲノムワイドSNP分析 / ヒキガエル / 交雑帯 / 両生類 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、Mig-seq法により得られたSNPデータの解析を更に進めた。特に、亜種ニホンヒキガエルとアズマヒキガエル間には交雑帯が認められていたことから、その交雑帯の実態を調べることで、分類学的再検討につなげた。 種ニホンヒキガエル155個体、ナガレヒキガエル13個体のシーケンスデータを用いた。まずシーケンスしたデータは、NCBIデータベースから取得した近縁種のゲノムデータに対してマッピングした後にジェノタイピングを行い、ジェノタイピング後のデータを用いて解析を行った。DAPC (discriminal analysis of principal components)、STRUCTURE解析、PCA(principal component analyses)の3つの検定に基づいて集団遺伝構造を推定した結果、ナガレヒキガエルの1クラスターを含む、5つのクラスターとなることが最適であることが推定された。種ニホンヒキガエル内では西日本に生息する亜種ニホンヒキガエル内と東日本に生息する亜種アズマヒキガエル内でそれぞれ2つの遺伝クラスターに分かれることが示唆された。 次に、認められた種ニホンヒキガエル内の4つのクラスター間の交雑帯においてクライン解析を行った。その結果、分岐年代の古いクラスター間ほど、クラインの幅が狭く、交配に対する負の選択が強く存在する可能性が示唆された。特に、亜種ニホンヒキガエルとアズマヒキガエル間では遺伝的分化後の二次的接触が起きた年代を考慮すると、別種とみなすことができる程十分に交配に対する負の選択が存在することが示唆された。以上の結果は論文としてまとめ、国際誌への投稿の準備を進めている。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)