2021 Fiscal Year Annual Research Report
地盤が液状化に至る変相メカニズムの解明とその解析手法
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21J15851
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
栗間 淳 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 液状化 / 飽和土三相系 / 地盤の運動方程式 / 地盤工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は,固相-液相-砂粒子を含む液相という飽和土三相系に基づいた支配方程式によって固体から液体に変相した地盤を扱うことが可能であることを明らかにし,液状化解析に利用できることを示した.また,液状化した地盤の固体から液体への変相,液体から再固体化するまでの過程を表現できる弾塑性構成則の改良を行い,その妥当性の検証を行った. 飽和土三相系に基づいた支配方程式については,液状化した地盤の変相過程を導入し,地盤を弾性体としてモデル化した解析において相変化時の運動量の変化および,地盤が完全に流体へと変相した際に提案した支配方程式によって流体としての挙動を解析できることを示した. 弾塑性構成則の改良については,液状化した地盤の相変化を間隙率の変化によって定義し,間隙率の増減を過剰間隙率の関数により支配することで,固体から液体また,液体から固体への相変化を表現可能であることを示した.三軸試験の再現解析を行い,液状化時の特徴的な挙動を再現できることを示した.また,提案手法は累積塑性ひずみなどの履歴によるパラメータに依存することなく液状化した地盤の挙動を再現できるため,再液状化などの解析にも応用できる可能性がある. これらの成果の一部は学術雑誌や国際会議等で発表を行った.これまで提案されている地盤の支配方程式では解析できない変相する地盤を扱うことができる支配方程式を導出し.それに対応する弾塑性構成則の改良は,液状化解析における新たな発展に寄与することができたと考える.提案手法を用いることで今まで解析できなかった現象を対象とした再現解析を行うことでさらなる成果が見込める.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は,変相を含む支配方程式によって,固体,流体のどちらも解析できることを示し,流体化および再固体化を含む弾塑性モデルを開発するなど概ね順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
提案した手法に基づいて,様々な現象を対象として解析を行う.具体的には,弾塑性モデルを用いて液状化に至り,地盤が流体へと変相した際の挙動の再現解析や,一度液状化した地盤が再液状化する現象の再現解析などを試みる.また,液状化に至るメカニズムについてもミクロな視点における検討を行う予定であり,明らかにしたメカニズムを有限要素法などのマクロな解析に導入する手法についても開発する予定である.
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