2021 Fiscal Year Annual Research Report
加齢性早朝覚醒メカニズムにおけるオーファン受容体GPR176のN型糖鎖修飾の役割
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21J15882
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中川 峻平 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 概日時計 / 加齢性早朝覚醒 / N型糖鎖修飾 / GPCR |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトは年を取ると朝早起きになり睡眠の質と量の低下を感じるようになるが、その背景にある分子メカニズムは不明である。このような中、申請者はノックアウトによって早朝覚醒フェノタイプを示すオーファン受容体GPR176がN型糖鎖修飾を受け、同修飾によってGPR176の細胞内におけるタンパク質発現量と基礎活性が制御されることをマウス及びヒトのGPR176を用いて明らかにした。そこで申請者は、体内時計の中枢をコントロールするオーファン受容体GPR176のN型糖鎖修飾に着目した加齢性変容メカニズムの解明に向けた研究を計画した。これまでに申請者はマウスSCNにおけるGPR176のタンパク質発現リズムが加齢よってどのような影響を受けるのかを検証するために、恒暗条件下でマウスよりサンプリングしたSCNを用いてウエスタンブロッティング法による解析を行い、SCNにおけるGPR176のタンパク質発現を検出することに成功した。これにより恒暗条件下で4時間ごとに24時間に渡って若齢及び老齢マウスのSCNをサンプリングすることで、GPR176のタンパク質発現リズムを検出することが可能となった。今後GPR176のN型糖鎖修飾に着目した加齢性変容メカニズムの解明に向けて、加齢がGPR176のN型糖鎖修飾を介して体内時計に与える影響を評価する事ができると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回申請者は恒暗条件下でマウスよりサンプリングしたSCNを用いてウエスタンブロッティング法による解析を行い、SCNにおけるGPR176のタンパク質発現を検出することに成功した。これによりマウスSCNにおけるGPR176のタンパク質発現リズムが加齢やALG10Bの欠損によりどのような影響を受けるのかを検証することが可能となり、加齢性早朝覚醒メカニズムにおけるオーファン受容体GPR176のN型糖鎖修飾の役割の解明につながると考えられるため、計画は順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に確立した手法を用いて、若齢マウス及び老齢マウスのSCNにおけるGPR176のタンパク質発現リズムを比較し、加齢がSCNにおけるGPR176のタンパク質発現リズムに与える影響を評価する予定である。また現在進めているSCN特異的ALG10B KOマウスの作製が完了した後、直ちにこのマウスを用いて同様の解析を行い、ALG10Bの欠損によるGPR176のタンパク質発現リズムへの影響を評価する予定である。
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